記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/5/2
記事監修医師
前田 裕斗 先生
子宮外妊娠(異所性妊娠)の出血は、生理(月経)のときの出血とどうやって見分ければいいのでしょうか。
この記事では、子宮外妊娠のリスクと子宮外妊娠したときの出血の特徴について説明していきます。自己判断で出血の違いを判断することはできませんが、病院へ行くときの判断材料のヒントになりますので、この機会にきちんと理解しておきましょう。
子宮外妊娠(異所性妊娠)をすると出血が起こることがあり、このときの出血は妊娠初期の出血や生理(月経)と勘違いしてしまいやすいので注意が必要です。
子宮外妊娠の出血は、卵管や子宮頸管、卵巣などに着床して成長しようとした胎嚢(胎児)が正常な器官を傷つけたり、流産が進行していたりするときに起こります。
たとえば、受精卵が卵管に着床し、そこで成長することで卵管が傷つき出血したとしましょう。しかし、この出血が軽度であったり、少なかったりすると、着床出血など妊娠初期の出血や、生理(月経)だと判断してしまうこともあるのです。出血が大量である場合はもちろんですが、陽性反応がでたうえで出血があった場合は、少量であったり出血がおさまったりした場合でも、すぐに病院に行きましょう。
子宮外妊娠でも生理でも出血がありますが、どちらの場合でも出血量には個人差があるため、見分けるのはとても難しいものです。さらに、妊娠していた場合、着床出血の可能性もあるでしょう。その場合は、出血のタイミングが重要な判断材料になります。
着床出血の場合は生理予定日かその少し前に出血があることが多く、通常の生理よりも出血量が少ない傾向があるといわれています。対して子宮外妊娠の場合は、受精卵が着床し、もう少し成長した状態なので、着床よりも後のタイミングで出血することにななると考えらるので、生理予定日よりも少し遅れた頃に出血があるかもしれません。
子宮外妊娠では、受精した胚(胎児)が、子宮ではなく、卵管や子宮頸管、卵巣に着床して発育していきます。本来在るべき場所で成長しないので、周囲の組織が傷つき、破れてしまうのです。
完全に卵管が破裂してしまうと、出血も痛みもかなり激しいものになり、場合によっては手術や輸血が必要になるほどの大出血が起こり、最悪の場合、出血性ショックで死に至るおそれもあります。
子宮外妊娠の進行を甘く見ずに、妊娠の可能性や不正出血などの要因が重なった場合はすぐに病院に行き、診察を受けてください。
子宮外妊娠の出血は、卵管や子宮頸管、卵巣などに着床して成長しようとした胎嚢(胎児)が正常な器官を傷つけたり、流産が進行していたりするときに起こります。子宮外妊娠の出血は生理と勘違いしてしまいやすいですが、ときには大量の出血によって命に関わる事態になるので注意が必要です。
妊娠検査薬で陽性がでたうえで、生理予定日よりも少し遅れた頃の出血や、いつもの生理痛よりも長い痛み、強い痛みがあったらすぐに病院に行きましょう。