線維筋痛症は指定難病? どんな症状が出るの?

2018/5/11

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

特に中年以降の女性で発症率の高い病気に、「線維筋痛症」というものがあります。線維筋痛症を発症すると、日常生活に大きな支障が出ることがほとんどですが、具体的にどんな症状が出るのでしょうか。また、難病には指定されているのでしょうか?

線維筋痛症は難病に指定されている?

線維筋痛症は、検査をしても特に異常がないにもかかわらず、体に強い痛みを感じたり、こわばりが出たりして、QOL(生活の質)が著しく低下する病気です。

診断基準は

  1. 広範囲の痛みが3か月以上続いていること
  2. 18か所の圧痛点のうち11か所以上で圧痛を認めること

です。

線維筋痛症の圧痛点

線維筋痛症の患者は国内に約200万人いると推定されますが、原因がよくわかっておらず、治療法も確立されていない難病です。しかし患者数の多さなどを理由に、国の指定難病の対象外となってしまっています(難病法では、「患者数が約12万人未満であること」を指定難病の要件としています)。

線維筋痛症だとどんな症状が出るの?

線維筋痛症の主な症状は、全身や体の一部の強い痛みです。痛む部分はそのときによって変化し、天候によって左右されることもあります。重症化するとちょっとした刺激(髪や爪への刺激など)でも激痛を感じ、日常生活が困難になるケースも少なくありません。

また、痛み以外では、こわばり感、疲労感や倦怠感、抑うつ症状、睡眠障害、過敏性腸炎、頭痛、微熱をはじめとしたさまざまな症状が現れます。特に痛みによる不眠はストレスとなり、さらに痛みを悪化させるという悪循環を招く要因です。

線維筋痛症の治療法

先述の通り、線維筋痛症の治療法は確立されていませんが、以下の方法で痛みなどの症状を軽減する治療が行われています。

  • 薬物療法:リリカ®(プレガバリン)などの神経障害性疼痛治療薬や、抗うつ薬で痛みをコントロールします。睡眠障害を併発している場合は睡眠導入剤が処方されることもあります
  • 運動療法:ストレッチなどの軽度の運動で血行を促進し、痛みに対抗する物質を増やすことで、症状を軽減します
  • 認知行動療法:線維筋痛症によって情緒障害が起こることがあるので、それを改善します
  • 心理療法:線維筋痛症の発症・悪化の一要因はストレスと考えられているため、カウンセリングなどの心理療法で対処します

おわりに:指定難病ではない線維筋痛症。悪化しないよう継続的な治療を

線維筋痛症の患者数は決して少なくありませんが、残念ながら国の指定難病には該当しないというのが実情です。また治療法も確立されていない厄介な病気ですが、今後の医学の発展に期待しつつ、専門外来で根気よく治療を続けていきましょう。

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