妊娠初期に食欲の波はなぜ起こる?増えたり減ったりしても大丈夫?

2018/5/2 記事改定日: 2019/1/21
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前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

妊娠初期には、食欲が増したりなくなったりしますが、このような変化はなぜ起こるかご存知でしょうか。この記事では、妊娠初期の食欲の増減とともに、対処法も解説します。

妊娠初期の食欲には波がある

妊娠初期にみられるつわりは、食欲にも影響を与えます。気持ち悪くなったり、臭いに敏感になったりして、妊娠前には食べられていたものが食べられなくなる方もいます。

一方で、食欲旺盛になる人もいます。「食べづわり」と言われる、常に食べていなければ気持ち悪くなってしまうという状態になる方もいます。また、特定の食品だけ食べたい、もしくは食べられない、といったこともあります。

妊娠初期の食欲は増える・減る?

妊娠によって、女性の体は大きく変化します。食欲については個人差があり、食欲が旺盛になる人も食欲不振になる人もいます

食欲が増えるのは?

妊娠すると、女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンが増加します。プロゲステロンは、体温を上昇させて妊娠を維持する働きがありますが、プロゲステロンが多く分泌されているときは、血糖値が下がり食欲が増進されます。また、脂肪もためやすくなっていきます。

食欲が減るのは?

食欲不振の要因となる吐き気やむかつきなどのつわり症状については、はっきりとしたメカニズムはわかっていませんが、やはり女性ホルモンのバランスが変化することが原因のひとつと考えられています。

食欲が増えたときの対策

妊娠初期は、栄養をしっかり摂ることが大切です。そのため、食欲が増すことは悪いことではありませんが、体重の増加が著しいときは注意が必要です。特に、妊娠中期以降の体重増加につながらないよう、食べ過ぎについての対策方法を知っておきましょう。

よくかんで食べる

よくかんで食べれば、少なめの量でも満足度が高まります。

量を減らして回数を増やす

小分けにして「食べたい」ときに食べられるようにしておくと、食欲が満たされることがあります。

野菜を中心に食べる

野菜を先に食べることで、血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。ごはんやパンといった炭水化物は分解されやすく、空腹時に食べると血糖値が急激に上昇します。血糖値が急上昇すると、体は血糖値をコントロールしょうとしますが、一方で脂肪も蓄積しやすくなります。そのため、野菜を先に食べて、体重増加と血糖値の急激な上昇を予防するのです。

食欲が減ったときの対策

赤ちゃんへの影響を考えると、食欲が減ったときも心配になるものです。食欲が出ないときは、以下のように対応してみましょう。

「食べられるものを食べる」くらいの気持ちをもつ

「食べなければ」と考えすぎてしまうことが、かえってストレスになってしまうことがあります。妊娠初期は体の変化があって当然の時期です。また、臭いに敏感になり、食の好みも大きく変わることもあります。栄養のあるものを食べようなどと無理をせず、「食べたいと思ったものを食べればいい」くらいの気持ちで過ごしましょう。

食べやすいものを食べる

麺類や、冷やした果物、ゼリーや豆腐など、のどごしが良いものであれば食べられることもあります。「トマトだけ」「スイカだけ」といった特定のものだけが食べられるという人もいます。

水分をとる

固形物が食べられなくても、水分は意識してとるようにしましょう。特に暑い季節は、熱中症や脱水症状にならないようにすることも大事です。

医師に相談する

食べられないことが体に影響があるかどうかの判断は、自分では難しいものです。どうしても食事がとれないときは、入院して点滴を受けるということもあります。かかりつけの医師に相談してみましょう。

おわりに:妊娠初期の食欲の変化には個人差がある。食事を楽しむ工夫を!

妊娠をすることで、食欲が旺盛になる人もいれば、食欲がなくなってしまうという人もいます。どちらも、妊娠によって女性ホルモンのバランスが変わっていくことに影響を受けていますが、あらわれ方には個人差があります。食欲増加も食欲不振も過度になってしまうときは、いくつかの注意が必要です。無理をせず妊娠中も食事を楽しみましょう。

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