妊娠初期に眠れない〜赤ちゃんに悪い影響はある?〜

2018/5/2

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

妊娠初期は、体の変化などが原因でどうしても睡眠不足になりがちです。この記事では、妊娠初期の睡眠不足を乗り越えるための対処法を紹介しています。
眠れないことが赤ちゃんに影響するのか、妊娠初期に眠れなくなってしまう原因まで細かく説明していきますので、参考にしてください。

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妊娠初期に眠れないと、赤ちゃんにどんな影響が出る?

妊娠初期には身体の変化で眠りづらくなるという人がいます。妊娠がわかっても、仕事をしていたり、まだ手のかかる上の子供がいたりすると、忙しい毎日を送る女性もいるでしょう。

妊娠初期の睡眠不足は直接おなかの赤ちゃんへの影響はないとされており、あまり不安になる必要はありません。ただし、睡眠不足が続くことでお母さんの体調が著しく崩れてしまうことは、赤ちゃんにとっても良いことではありません。生活の中で改善できることがあれば、工夫をしていきましょう。

妊娠初期に眠れない原因:「つわりの吐き気で気持ち悪い」

女性の身体は、妊娠によってホルモンバランスが大きく変化をしますが、全く体調に変化がない人から、ひどく体調不良を起こす人もいます。代表的なものにつわりがあり、吐き気が夜間も続くことで睡眠不足になってしまう人もいます。

妊娠初期に眠れない原因:「暑い!」

妊娠が成立すると、プロゲステロンという女性ホルモンが多く分泌されます。プロゲステロンは黄体ホルモンとも呼ばれ、妊娠をしてないない女性も月経のサイクルに併せて分泌されています。

プロゲステロンは排卵の時期に分泌されて、妊娠のために身体を整えるホルモンです。その準備のひとつとして「体温を少し高めに保つ」という作用があります。卵子が受精をしないとプロゲステロンは徐々に減少して月経が始まり体温も低下しますが、妊娠するとプロゲステロンが増加し、体温が高いまま維持されていきます。この体温の高さから体のほてりや熱っぽさを感じて、夜間も熟睡できないという人もいます。

妊娠初期に眠れない。どんな対策をすればいい?

妊娠初期には、身体が大きく変化してしまって睡眠不足になってもおかしくはありません。しかし、あまりにも睡眠不足が続いて体調を崩すことは避けたいものです。毎日の生活の中で以下のポイントを心がけてみましょう。

短時間の昼寝をとる

夜間に熟睡できず日中には眠気を感じるという人は、日中に短時間の昼寝をすることで対処してもいいでしょう。ただし、長い時間寝てしまうと夜間の不眠が強くなる可能性があるので、昼寝は15〜30分程度に抑えておくことをおすすめします。

無理のない範囲で身体を動かす

妊娠初期は身体が不安定な時期にあたるため、つわり症状がひどいときや切迫流産の危険性があるなど、医師から止められるときは無理をしてはいけません。
しかし、体調が落ち着いているのであれば話は別です。身体を動かす機会が減っている人は、軽く身体を動かしてみましょう。特別な運動でなくてもかまいません。近所への散歩などできるところから始めてみましょう。

寝る前のスマートフォンやパソコンの使用を控える

スマートフォンやパソコンのディスプレイから発せられる光は刺激が強く、睡眠リズムを乱す可能性があるといわれます。寝る直前まで使用することは止めましょう。

ノンカフェインの温かい飲み物を飲む

ホットミルクやルイボスティーといったノンカフェインの温かい飲み物を飲むと、気持ちが穏やかになるかもしれません。ハーブティについては、妊娠初期には適さない物もありますから注意が必要です。

睡眠薬は基本的にはNG!使用の際は医師の指示に従いましょう

睡眠不足が続いて体調が悪いと感じると、睡眠薬を飲むことを考える人もいるかもしれません。しかし、妊娠中の過度な睡眠薬の使用はNGです。妊娠前に睡眠薬を処方されて飲んでいた人も、妊娠後は医師に内服が可能かどうか相談しましょう。

母体と赤ちゃんは胎盤を通じて繋がっています。薬によっては、その成分が赤ちゃんに影響を与えることがあるため妊娠中は処方できる薬が限られています。特に妊娠初期は、赤ちゃんへの身体のいろいろな器官がつくられる時期にあたります。あまりにも体調不良が続くときは、医師に相談しましょう。そして、もし薬が処方されたときも、医師や薬剤師の指示に従って服用をしましょう。

おわりに:妊娠初期の睡眠不足は生活リズムの見直しから始めよう

妊娠初期は女性の身体が大きく変化をする時期で、つわりなどから睡眠不足になる人もいます。また、家庭や仕事の都合が重なってしまう人もいるでしょう。しかし、妊娠初期に睡眠薬を飲むことは胎児への影響が大きくなる可能性があるため、自己判断での服用はしてはいけません。睡眠の質を高めるために、まずはできることから生活リズムを整えつつ、かかりつけの医師に相談をしてみましょう。

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