記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/7
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
動悸とめまいが同時に見られる場合、原因として考えられるものに「ストレス」があります。今回の記事では、ストレスが動悸やめまいを引き起こすメカニズムや、貧血が原因で動悸が起こるケースなどについてご紹介します。
動悸やめまい、頭痛の原因としてまず考えられるのが自律神経失調症ですが、自律神経失調症は精神的・身体的ストレス(睡眠不足など)が原因で発症するものと考えられています。
自律神経系には、交感神経と副交感神経という2つの神経が存在しますが、人間はストレスを感じると緊張状態だと判断し、緊張に対抗するために交感神経を活性化させるようになります。すると、心拍数と血圧が上がり、動悸が起こるようになるのです。
また、ストレスを受けると副腎皮質から分泌される、コルチゾールなどのストレスホルモンも動悸に関連しています。このストレスホルモンには、心拍数と血液量を増やす作用があるため、血圧が上昇し、心拍数が増えることで動悸を感じやすくなるのです。
動悸とめまいの原因としては、貧血の可能性もあります。食事での鉄分不足や月経などの影響で鉄分が不足すると、ヘモグロビン(赤血球に含まれる、酸素の運搬役)が不足し、全身に十分な酸素が届かなくなることで貧血(鉄欠乏性貧血)を起こすようになります。
その中でも脳が酸素不足に陥ると、めまいや頭痛が起きるようになり、筋肉が酸素不足になると倦怠感が出るようになります。また、血液の酸素を運ぶ量が少ない分、循環を上げてカバーしようとするために動悸や息切れも起こりやすくなるのです。
動悸とめまいが同時に見られたら、まずは総合的な診察が受けられる一般内科を受診しましょう。基本的に専門内科や耳鼻科の受診は、必要と判断されてからが望ましいです。
なお、動悸やめまいが継続するのであれば、なるべく早く病院を受診しましょう。ストレスによる自律神経の乱れや、貧血による動悸のケースは少なくありませんが、中には不整脈や内頚動脈解離などの疾患が隠れている場合もあるからです。
あまり知られていませんが、ストレスや貧血によって、動悸やめまいが起こるケースも少なくありません。日々の生活や食事などを見直し、改善すべきところがあれば改善するところから始めましょう。また、継続して動悸やめまいが見られるようなら、一度病院で他の疾患がないか検査することが大切です。