妊娠初期の「だるさ」は何が原因で起こるの?

2017/3/22 記事改定日: 2018/3/19
記事改定回数:1回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

妊娠初期には様々な症状があらわれますが、中でも多いのが「だるさ」です。
では、妊娠初期に「だるさ」があらわれる妊婦さんが多いのは何故でしょうか?
この記事でその原因を解説します。

妊娠初期の「だるさ」の原因は?

妊娠すると、「妊娠した」とはっきりとはわからなくても、なんとなく体の調子がいつもと違うと感じる妊婦さんが多いようです。
いつもより少しだるいという場合から日常生活に支障が出るほどの眠気や無気力感を感じる妊婦さんまで、だるさのあらわれかたには個人差がありますが、原因は妊娠によるホルモンバランスの変化だと考えられます。

だるさや眠気の原因はプロゲステロン

妊娠初期の眠気は「プロゲステロン」という黄体ホルモンの分泌量が増えることが原因だと言われています。これはプロゲステロンに睡眠を促す作用があるためです。
プロゲステロンによって妊娠初期はだるさや眠気が続きますが、妊娠12週~16週ごろには分泌量が減って症状が和らぐことが多いです。

妊娠初期のだるさを解決するには?

妊娠中のだるさは生理現象なので完全に無くすることは難しいですが、症状を改善させるためにできることはあります。

〈鉄分やビタミンとる〉

妊娠初期には「つわり」があるため、バランスのとれた食事をとることは難しいかもしれませんが、できるだけバランスのとれた食事を食べるようにしましょう。
また、妊娠中は貧血になりやすいため、鉄分を補うよう心がけることも大切です。

〈軽い運動をする〉

便秘の解消、手足のむくみの改善、出産や産後に向けての体力作り、妊婦糖尿病や高血圧症への対策など・・・妊娠初期の運動にはさまざまな効果が期待されています。
ウォーキング、マタニティヨガやピラティス、水泳など、自分が無理なくできる運動を試してみましょう。
ただし、運動中に会話ができなくなるほどの激しい運動や相手との接触などの危険性がある運動は避けるようにしてください。

代表的な妊娠初期の体の変化

「だるさ」の他にも、妊娠初期には以下のような代表的な症状があらわれます。

〈1〉疲れ、無気力

妊娠すると、疲れや無気力感を感じやすくなります。
この症状は、比較的軽い疲れから、ずっと車を運転しているかのような緊張感まで、その程度はさまざまです。この時点ですでに、お腹の中の小さな子どもが母親の体力を使い始めており、母親の体はフルスピードで活動し続けている状態にあります。
したがって、妊娠初期はできるだけ安静に、リラックスして過ごす時間を多くする必要があります。いちばんのお勧めは、お腹の子どもが発する音に耳を傾けること、そして子どものために休息時間をしっかりとってあげることです。

〈2〉つわり

妊娠中は朝方だけでなく、日中や夜間も気分が悪くなることがあり、たびたび吐いてしまうこともあります。この時期は妊娠初期に現れることが多いですが、それ以降も現れることがあります。

つわりの症状が出てきたときは、軽い食事を1日5回から6回摂るようにしましょう。また、レモンバームが入ったハーブティーやカモミールティーを飲むのもお勧めです。

〈3〉強く張る痛み

妊娠初期では、お腹が痛くなるほどの張りをたびたび感じるようになります(場合によっては背中の痛みを伴うこともあります)。これは、赤ちゃんが育つにつれてお腹の中で大きくなり、それに伴って子宮も大きくなることと関係しています。

もし不安な場合は、かかりつけの産婦人科に相談するようにしてください。相談を行うことで、例えば異所性(子宮外)妊娠といった事態を避けることが可能になります。

〈4〉頭痛

妊娠初期によくみられる症状のひとつに頭痛があります。
妊娠中の頭痛のほとんどは片頭痛で、原因としてはホルモンバランスの変化、鉄欠乏性貧血、脱水症状、ストレスなどがあげられます。

〈5〉特定の匂いが不快に感じられる

妊娠すると、今まではお気に入りだった香水の香りが突然イヤになってしまうことがあります。ほかにも、タバコの煙で吐きそうになったり、焼肉屋のそばを通り過ぎるたびに気持ち悪くなったりすることがあります。これは、妊娠中の女性の体は感覚器官が敏感になっているためで、妊娠前は特に気にすることもなかったものにも強く反応してしまうようになるのです。

〈6〉出血

妊婦のうち、4分の1近くが妊娠初期に出血を経験します。この出血は、通常であれば生理が始まる時期に起きることが多いです。この出血が必ずしも早産の兆候を示しているわけではありませんが、それでも出血が見られる場合は、医師の診察やベッドで安静にすることなどが必要です。

おわりに:妊娠初期の「だるさ」の原因はホルモンバランスの変化

妊娠初期に「だるさ」が続くのは、「プロゲステロン」という黄体ホルモンの分泌量が増えるためだと考えられています。
プロゲステロンの分泌が落ち着くといわれる妊娠12週~16週ごろまで、妊娠中でも仕事や家事などがあって完全に休むのが難しい場合でも、できるかぎり無理をしないで過ごすようにしましょう。

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