片頭痛の薬がないときの治し方は?

2018/5/11 記事改定日: 2019/7/25
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

片頭痛の発作が始まったら早めに薬を飲むのが第一ですが、難しいこともあるでしょう。こちらの記事では、片頭痛が起こったときに自分でできるケアの方法や、片頭痛に良いツボ、摂取すると良い食べ物について解説しますので、薬がないときに試してみてください。

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薬を使わない片頭痛はどう治せばいい?

片頭痛が起こったときに自分でできるケアには、以下のような方法があります。

冷やす

完全に解明されてはいませんが、頭痛は、脳内伝達物質の作用によって血管が収縮したのち再び拡張することが原因で起こるのではないかと考えられています。

片頭痛では脳の血管が拡張するためにズキンズキンといった特徴的な痛みを生じます。この痛みを抑えるためには、脳の血管を収縮させることが有効です。後頭部や首から肩にかけて痛む部位を氷嚢や保冷材などを使って冷やすことで、血管を一時的に収縮させ、痛みを緩和できます。

安静にする

片頭痛は吐き気や嘔吐だけでなく、光や音やにおいなどの刺激に過敏になるという症状もあります。
照明や日光のまぶしさ、人の声やテレビの音、食べ物のにおいなどが頭痛を悪化させてしまわないよう、暗く静かな場所で横になり、落ち着いて休むようにしてください。

こめかみを圧迫する

タオルやはちまきなどで頭を縛ってこめかみを圧迫すると、頭に血が流れ込み過ぎるのを抑えられます。頭痛の原因となる血管の拡張を抑え、痛みを緩和できることがあります。

片頭痛の症状を食べ物で抑えられる?

片頭痛が既に始まってしまっている場合には、糖分を摂取すると痛みが和らぐことがあります。これは、糖には脳内でのセロトニンの分泌を促す働きがあるためです。

セロトニンとは、脳内に存在する神経伝達物質の一種(神経ペプチド)であり、他の神経伝達物質をコントロールしたり血管を収縮させたりする作用があります。セロトニンが正常に分泌・作用するように促すことは片頭痛の改善に効果的です。

また、片頭痛は低血糖によって引き起こされることもあります。空腹時の頭痛は低血糖が原因で起こっていることも多いので、甘いものを少しだけ食べて様子をみてみましょう。

カフェインを摂取する

血管の収縮を促すため、コーヒーやお茶、紅茶などのカフェインを摂ることで血管が収縮し、痛みが治まることがあります。

ただし、カフェイン自体が片頭痛のトリガーになり、痛みを起こしたり症状を悪化させたりすることもあるので、コーヒーを飲んだら痛みが強くなった、頭痛になったという経験がある場合は避けたほうがいいでしょう。

ツボ押しで片頭痛の症状を抑えられる?

東洋医学に基づいた頭痛に対する鍼治療などでは、「ツボ(経穴・けいけつ)」と呼ばれる、体の血と気が巡っている道とされる経絡のポイントを刺激します。
ツボを押したり鍼を使ってツボを刺激し、自律神経に働きかけることで体の不調の改善を目指します。

以下は、片頭痛のときに刺激すると良いといわれているツボです。

手三里(てさんり)

ひじを曲げるときに生じるシワから、手首のほうに指3本分向かったところにあるツボです。肩こりがひどいときや寝違えたときに刺激すると良いとされています。

合谷(ごうこく)

人差し指と親指が分岐する部分から、少し人差し指側に寄ったところのへこみにあるツボです。万能のツボとも呼ばれ、押してみると痛いと感じる人が多く、肩こりや、歯や目の痛み、頭痛、生理痛のときに刺激すると良いとされています。

崑崙(こんろん)

外側のくるぶしとアキレス腱の間のくぼみにあるツボです。ぎっくり腰になってしまったときや、頭痛やめまい、吐き気などがあるときに刺激すると良いとされています。

足臨泣(あしりんきゅう)

足の甲にある、小指と薬指の骨の分岐点のあたりにあるツボです。頭痛や眼精疲労、首や肩のこり、生理不順に悩まされているときに刺激すると良いとされています。

片頭痛は予防できる?

片頭痛は日常生活上の些細な刺激によって発症することがあります。発症を予防するには次のような点に注意しましょう。

  • まぶしい光を避ける
  • コンサート会場など大きな音がする場所への立ち入りは控える
  • 激しい振動や気圧の変化がある乗り物は極力避ける
    (避けられない場合は、影響の少ない座席を選ぶ)
  • 睡眠不足や疲れ、ストレスをためない
  • 食生活や運動習慣に注意し、血圧の変動を避ける
  • 頭痛発作の前兆がある時は予防薬を使用する

おわりに:片頭痛が始まったら、安静にしたりツボを刺激したりしよう

薬を持っていないときや、薬を飲みたくないときなどに片頭痛が始まってしまっても、安静にしたり、冷やしたり、ツボを刺激したりすることで片頭痛が緩和されることがあります。糖分が含まれている食べものを摂取することで痛みが治まることもあるため、薬を飲むのが難しい場合には試してみると良いでしょう。

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