なんで動悸が止まらない??原因はどこにあるの?

2018/5/9 記事改定日: 2019/1/11
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

不安やストレスを感じると、ドキドキという動悸が止まらなくなるのは一般的な現象です。しかし、なぜストレスを感じると動悸が起こるようになるのでしょうか。
以降で、動悸のメカニズムや原因、また動悸が止まらないとき何科を受診すればいいのかを解説します。

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動悸が止まらない原因は?

動悸が止まらない場合、主な原因として以下のことが考えられます。

ストレス

人間はストレスを感じると、適応力を高めるために、副腎皮質からコルチゾールなどのストレスホルモンを分泌するようになります。これらのストレスホルモンは血流量と心拍数を増やす作用があるため、血圧が上がり、動悸を感じやすくなるのです。

また、ストレスを感じると、不安や緊張とともに交感神経が活性化します。交感神経が活発になると全身に力が入り、血管が収縮するようになるため、血圧が高くなり心拍数が増します。これにより心臓に負担がかかることで、動悸が引き起こされるという側面もあります。

不安障害(パニック障害)

重要な会議の前などに不安を感じたり、緊張したりして動悸が起こるのは正常な反応です。しかし、そういった理由もないのに不安感が続いていたり、動悸が続いていたり、息苦しさや震えが起こったりする場合は、「パニック発作」の可能性があります。

パニック発作とは、パニック障害の患者に見られる不安症状のことで、強い不安感や動悸、頻脈、呼吸困難、発汗、めまいなどが主な症状です。発作は長くて1時間程度でおさまるのが一般的ですが、発作は激しく、死んでしまうのではないかと思う患者も少なくありません。

一度パニック発作を経験すると、すぐに逃げられないような場所を避ける「広場恐怖」も伴うようになります。

貧血

貧血とは、血液中のヘモグロビンの数が減少する病気です。ヘモグロビンは赤血球と呼ばれる血液細胞の一つに存在しているタンパク質であり、酸素と結合して体内に酸素を運搬する役割を担います。

貧血になると体内に十分な酸素が行き渡らなくなり、代償的により多くの血液を流そうと心拍数の上昇が見られるようになります。このため、貧血が進行すると慢性的に心拍数が上昇して動悸を感じることがあるのです。

不整脈

異常に脈が速くなったり、遅くなったり、不規則になったりする不整脈が原因で、動悸が引き起こされている可能性もあります。加齢やストレス、睡眠不足などによって不整脈を発症するケースが多いですが、中には心筋梗塞や心疾患が原因のものもあるので注意が必要です。

バセドウ病

動悸がどんどん悪化していたり、安静にしていても動悸が止まらないという場合はバセドウ病の可能性があります。バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に作られたために起こる病気で、倦怠感や息切れ、体重減少、手足のしびれや震え、ほてり、イライラなどを伴うことが多いです。20〜30代の若い女性の発症率が高い病気です。

動悸が止まらないときは何科に行けばいい?

動悸が止まらないときは、まず内科か循環器内科を受診しましょう。心臓病や甲状腺の病気が原因で動悸が起こっている可能性もあるため、触診や心電図検査や超音波検査、血液検査などで、体に異常がないか確認することが重要です。

もしこれらの検査で特に異常が見られなかった場合は、ストレスや不安障害などの精神的な原因で動悸が起こっている可能性が高くなります。そこで初めて、心療内科や精神科を受診するようにしましょう。

普段の生活習慣が動悸の原因になることもある?

ストレスや病気だけでなく、睡眠不足や食生活の乱れ、喫煙習慣などが動悸の原因になることがあります。
睡眠不足がたたると、自律神経のバランスが乱れて心拍数が上昇することがあります。また、食生活の乱れや喫煙は、高血圧や高脂血症などの生活習慣病や動脈硬化を引き起こし、心臓への負担が増えることで動悸を生じやすくなります。

このように、普段の生活習慣が動悸の原因になることもありますので、日頃から規則正しい生活を心がけるようにしましょう。また、喫煙は動悸以外にもさまざまな病気の原因になり得ますので、禁煙することをお勧めします。

おわりに:動悸が止まらないならまずは循環器内科へ

「ストレスや不安が原因で動悸が止まらない」というケースは少なくありませんが、動悸は心筋梗塞や心臓病など重大な病気のサインの可能性もあります。
まずは循環器内科で検査を受けるようにしてください。

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