記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/10 記事改定日: 2019/2/26
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
片頭痛が出る前に、視力や視野の異常など、独特の刺激・症状を感じることがあります。
一般的に、これらは片頭痛の「前兆」と呼ばれ、人によって内容は異なるものの、片頭痛を発症する人の一定数が何らかの前兆を感じるともいわれています。
今回は、片頭痛の前兆を感じたときの対処法について解説していきます。
片頭痛のときに飲む薬のなかには、頭痛症状が出てからではなく、その前段階である「前兆」を感じたときに服薬することで、高い効果を発揮するものがあります。
以下に、一般的に片頭痛の症状緩和・治療に使われる代表的な3種類の薬について、種類別に服薬に最適なタイミングを解説していきます。
ロキソニン®などに代表される薬で、処方薬の他、市販薬も幅広く使用されています。
片頭痛が起きる前、前兆・予兆を感じた段階での服薬が推奨されていて、適切に服用すれば頭痛の発症を予防したり、頭痛症状を軽減する効果が期待できます。
イミグラン®などに代表される薬で、主に医師からの処方で使われることの多い薬です。
片頭痛の症状が出てから1時間以内に服薬するのが推奨されていて、前兆段階や、症状が出て1時間以上たった後に服薬しても、十分な効果が得にくいと考えられています。
頭痛症状の有無にかかわらず、用法・用量に従って毎日決まった量を決まった時間帯に服薬することで、頭痛の発症を予防する効果のある薬です。
基本的には医師の指示に従って服薬するので、片頭痛の前兆を感じてから飲む、ということはありません。
片頭痛の前兆として、視界の端や中心にチカチカと光るものが現れる場合があります。
このような光は「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれ
など、人によって見え方が違います。
通常、この症状は15~30分ほどで焼失し、その後に続いて片頭痛が始まることから、代表的な片頭痛の前兆のひとつと考えられています。
片頭痛を起こす人のうち前兆が出るのは20~30%程度とされ、さらに前兆を経験したことのある人でも、毎回同じ前兆が出るとは限りません。
前述したような代表的な前兆を感じられないまま、片頭痛を発症する人も多いといわれています。
しかし、代表的な前兆を感じられなくても、本人が「なんとなく頭痛がきそうな気がする」と感じるような「予兆」は、ほとんどの人が感じるといわれています。
片頭痛の発症を予感させるような「予兆」の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
これらは前兆に比べて漠然とした症状であるため、区別して「予兆」と呼ばれています。
最後に、片頭痛の前兆を感じたときにできる対処法を4つお教えします。
前述したように、片頭痛に効果のある薬のなかには、前兆段階や頭痛が出てからすぐに服薬することが高い効果を発揮するものがあります。
日ごろから自分の体質に合う頭痛薬を携行しておき、前兆を感じたらすぐに服薬の準備をできるようにしておきましょう。
血管拡張が原因で起こる片頭痛には、血管を収縮させる作用のあるカフェインを含んだコーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶などの摂取で改善することがあります。
前兆が出た段階でコップ1杯飲んでおくと頭痛症状が軽減されることがありますが、飲み過ぎはかえって片頭痛を悪化させることがあるので、1日3杯までを目安に飲むようにしましょう。
冷却も血管収縮の効果があるため、患部を冷やすのも片頭痛症状の緩和に効果的です。
前兆が出た段階で、濡れタオルや冷却ジェルなどゆっくりと頭を冷やせる温度のものを用意して、頭や首にあてると良いでしょう。
片頭痛は、強い光や大きな音など、外部からの刺激で症状が悪化することがあります。
前兆を感じたら、できるだけ静かで落ち着けるところに移動して、横になったり座ったりして、安静に過ごすようにしましょう。
片頭痛で前兆や予兆を自覚するのは全体の3割程度とされています。
前兆や予兆がある場合は、ゆっくり休む・治療薬を飲むなどの対処を行うことができますが、ない場合には以下のような対処を行って片頭痛発作に備えるようにしましょう。
片頭痛の前兆はすべての人に現れるわけではなく、また一度経験した人でも、引き続き現れるとも限りません。でも、どのような前兆・予兆の後に片頭痛が起こりやすいのかを知っておけば、服薬などの対処もしやすくなるでしょう。この記事で片頭痛の前兆・予兆とその対処法を理解して、少しでも症状を軽減できるようにしておいてください。