記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/14
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
動悸の原因としては、不整脈や心臓病、パニック発作などが知られていますが、妊娠やペースメーカーの装着がきっかけで、動悸が起こることもあります。詳しくは以降で解説していきます。
動悸とは、心臓の拍動に異常があるために起こる症状で、循環器疾患に該当します。ドキドキ、バクバクという鼓動を感じたり、胸の苦しさを感じたりするのが特徴です。
一方の息切れは、主に肺に異常があるために起こる症状で、呼吸器疾患に該当します。なお、肺や呼吸器に異常がなくても、激しい運動をして血中酸素が不足したことで息切れが起こることも少なくありません。息を吸っても苦しい状態に陥り、動悸と同様に胸の苦しさを感じることがあります。
妊娠初期になると、女性ホルモンのプロゲステロンの分泌量が増えることで、呼吸中枢が刺激され、動悸や息切れが起こるようになります。
また、妊娠初期は胎児の血液を確保するために血液量が増加するのですが、赤血球よりも血漿量(血液の液体成分)のほうが多くなるため、血の濃度が薄まり貧血の状態に陥ります。この貧血状態によって、動悸や息切れ、立ちくらみなどの症状が出ることもあります。
VVIというタイプのペースメーカーを入れた場合、ペースメーカーによって起こる心室の興奮・収縮のタイミングと、自然に起こる心房の興奮・収縮のタイミングが合わないために、心臓から血液がうまく排出されなくなり、動悸や息切れ、めまいなどの症状が起こることがあります。このメカニズムによる動悸を「ペースメーカー症候群」とも呼びます。このタイプの動悸の場合、ペースメーカーの収縮頻度を調整することが必要です。
あまり知られていませんが、妊娠初期の症状の一環として、またペースメーカーの影響によって動悸が起こるケースもあります。動悸が突如起こるようになったら、まずは内科やかかりつけ医に相談することが大切です。