記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/14
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ロタウイルスは感染性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種で、嘔吐下痢症とも呼ばれます。冬から春に流行する、乳幼児にかかりやすい感染症ですが、年長児や成人でも感染するのでしょうか?ロタウイルスの感染から発症までの期間や、大人への感染について解説していきます。
ロタウイルスは1〜3日間の潜伏期間を経て、激しい嘔吐や下痢、39℃以上の発熱などが現れます。また、便の色が白色になったり、大量の水様性の下痢が出ることから脱水に陥りやすいので水分補給が大切です。
通常は、発症後2〜7日程度で症状は治まりますが、まれにけいれんや脳症を合併することがあるので注意が必要です。
ロタウイルスによる感染性胃腸炎は、2歳までの乳幼児が感染すると、激しい嘔吐や下痢などの重い症状になりやすく、小児にとっては危険な病気になります。脱水症状が進行すると、けいれんや脳炎・脳症が起きて死に至ることもあります。
ロタウイルスによる感染性胃腸炎は、5歳までの小児期にほぼ100%罹患する感染症で、一度獲得した免疫は成人になっても有効に働きます。そのため、健康な大人はロタウイルスに感染しても、軽い症状(倦怠感や軽いむかつきなど)で止まることが多いです。
しかし、免疫が低下している高齢者は感染しやすく、介護施設などでロタウイルスによる嘔吐下痢症の集団発生が起きることもあり注意が必要です。
下痢や嘔吐の症状が改善して、体調がよければ登校や職場復帰をしても大丈夫です。ただし、下痢の症状が改善しても、1週間~1ヶ月間は便中へのウイルスの排泄が続きますので、トイレの後の手洗いは十分に行うことを心がけましょう。
感染患者のふん便や吐物の処理後に手洗い・手指消毒が不十分だと、汚染された手指を介して間接的に感染してしまう恐れがあります。また、症状がおさまっても1週間程度はウイルスを排出し続けることがあるため、患者からの二次感染にも注意が必要になります。
ロタウイルス感染症は、ほとんどの子供が幼いうちにかかる病気です。子供が感染しても慌てないよう、対処方法や二次感染を防ぐ方法をきちんと把握しておき、日頃から手洗いなどの衛生対策を徹底することが大切です。
また、ロタウイルス感染したら、少しずつでも水分補給をして脱水を防ぐことが重要ですので、水もしくは電解質と糖質が配合された経口補水液をこまめに摂取しましょう。