茶色の不正出血が出る原因とは?

2018/5/30 記事改定日: 2020/4/1
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前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

生理でもないときに出血があったり、普段見慣れない茶色の出血があると、心配になりますよね。ピルの使用中に不正出血が起こるのは珍しいことではありませんが、原因が本当にピルによるものなのかを正しく知る必要があります。この記事では、茶色の不正出血の原因について解説していきます。

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茶色い不正出血は何が原因で出るの?

不正出血が茶色になるのは、出血後に時間が経過したことを意味します。出血後に時間が経って血液が空気に触れると、茶色く錆びたような色に変化します。

ピルの飲み忘れで不正出血が茶色になる?

ピルの飲み忘れによる不正出血は、ホルモンバランスの乱れによるものです。もともとピルに含まれる女性ホルモンの量は低く抑えてあり、そのため内膜は薄く保たれやや不安定な状態にあります。その状態でピルを飲み忘れると、女性ホルモンの乱れから不正出血を生じやすくなります。

消退出血の量や期間には個人差がありますが、生理よりは出血量が少ない場合が多く2〜3日程度続き、まれに1週間程度続く人もいます。1〜2日の飲み忘れであれば大半は少量の出血で治まりますが、それ以上の期間内服できていないと月経と同じような仕組みで起こる出血が起こることがあります。これは6〜7日程度と通常の月経と同じ期間続くことが多いです。
飲み忘れた場合や不正出血が起きた場合の対処法は添付文書を確認するか、医師に相談しましょう。

消退出血とは

消退出血とは、子宮内膜がしっかり増殖しないまま子宮の壁から剥がれ落ちることで生じる出血のことです。
ピルは女性ホルモンを含む薬剤であり、服用を続けることで排卵を抑制し、子宮内膜の増殖も抑えることができます。ピルの服用を中断すると、子宮内膜が剥がれ落ち「消退出血」を生じるのです。
通常、ピルは28日の周期で消退出血が生じるように調節されています。

茶色い不正出血が出ているときの腹痛は危険なの?

茶色い不正出血に加えて腹痛を伴う場合は、子宮の病気の可能性もあります。自己判断をせずに、少しでも異常を感じたら病院で検査を受けるようにしましょう。
腹痛を伴う不正出血で考えられる病気は下記のようなものがあります。

子宮がん

子宮がんは、発生する部位によって「子宮頸がん」と「子宮体がん」に分けられます。子宮頸がんは30~60代、子宮体がんは40~60代の人に多い病気です。

初期の頃は自覚症状がない場合が多く、ショーツにしみのようなものがついたり、不正出血などがあります。早期に発見・治療をすると効果がより得られやすい病気なので、少しでも異常を感じた場合は病院を受診しましょう。

子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮筋層にできる良性の腫瘍のことです。良性なので命に関わることは少ないですが、腫瘍が大きくなると重い生理痛や腹痛を引き起こし、不妊の原因になることもあります。30~40代に多く見られる病気です。

子宮頸管ポリープ、子宮内膜ポリープ

子宮頸管ポリープは子宮頸管にできる、子宮内膜ポリープは子宮内膜にできる良性の腫瘍のことで、様々な年齢の方に起こる病気です。一般的に自覚症状が無いことが多いのですが、ポリープが大きくなると手術を行うこともあります。また、子宮内膜ポリープは不妊の原因にもなります。

妊娠

生理前に少量の不正出血がある場合は、妊娠の可能性も考えられます。妊娠は、精子を受精した卵子が子宮に着床することで成立しますが、この着床時に子宮壁に軽い出血を伴うことがあります。
ただし不正出血だけで妊娠だと断定するのは難しいので、基礎体温や妊娠検査薬で確認してみましょう。

おわりに:茶色の不正出血が続く場合は医師に相談しましょう

不正出血は、色によって原因を特定することは難しいので、少量でも不正出血が続いたり、いつもと違うと感じたら、医療機関を受診するようにしましょう。早めに対処をすることで、原因疾患の悪化を防ぐことができます。

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