記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/5/23
記事監修医師
前田 裕斗 先生
生理予定日はまだ先なのに、突然性器から出血があると、不安な気持ちになりますよね。実はそんな不正出血の原因のひとつとして、ストレスが大きく関係しているとされています。今回は、ストレスが不正出血を引き起こすメカニズムや、不正出血の治療法などについて解説します。
生理以外で性器から出血することを「不正出血」と呼びますが、その原因の一つとしてストレスが挙げられます。
強いストレスや不規則な生活が続き、ホルモンバランスが乱れると、子宮内膜の増殖・剥離がうまく働かなくなり、不正出血することがあります。また極端なダイエットをした場合でも、同様にホルモンバランスが乱れて不正出血をともなうことがあります。
ストレスにより自律神経が乱れると、女性ホルモンの分泌がうまくいかなくなり、不正出血へ発展するようになります。また、ストレスを感じると交感神経と副交感神経の働きが過剰になるのですが、交感神経は胃腸の働きを鈍らせるため便秘や腹痛を引き起こすことがあります。反対に副交感神経は胃腸の動きを活発化させる働きがあり、この場合もまた腹痛の原因となります。
このように、ストレスが原因で自律神経や女性ホルモンが乱れると、不正出血と腹痛が起こる可能性があります。
仕事や家事が忙しくてなかなか休めないという人も多いでしょうが、不正出血の症状がなかなか改善しない場合には、無理せずに休んだり医療機関を受診することが必要となります。病院では、エストロゲンやプロゲステロンを配合した女性ホルモン剤や漢方薬などの治療を行います。
また、ホルモンバランスの乱れには、黄体機能不全や無排卵月経といった女性特有の病気が隠れていることもあるので、なかなか出血がおさまらないという場合には必ず病院を受診しましょう。
ストレスや疲れがホルモンの分泌を阻害してしまうと、不正出血が起こる場合があるため、無理をせずに疲れたときにはしっかりと休息をとることが必要となります。特に環境の変化があるときなどはストレスがたまりやすいので、悩み事や心配事はひとりで抱え込まず、周囲の人に相談したり、リフレッシュしたりしながら過ごすようにしましょう。
十分な睡眠と栄養は、ホルモンバランスを整えるために必要です。忙しい毎日の中でも、睡眠と栄養はできる限りとるように心がけましょう。
不正出血は、ストレスや生活習慣の乱れによるホルモンバランスの変化で引き起こされるものです。生活習慣を見直すことで対処できる可能性があるので、毎日の睡眠や食生活を少しずつ改善していきましょう。また不正出血が起きたときは病院で診察を受け、原因をしっかり突き止めるようにしてください。