記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/9 記事改定日: 2019/3/28
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
動悸や頭痛、めまいが見られる場合、原因としては何が考えられるでしょうか?また、妊娠したときも同様の症状が現れる可能性はあるのでしょうか?以降で詳しく解説します。
動悸や頭痛、めまいが起きている場合、主な原因としては以下のことが考えられます。
動悸や頭痛、めまいの原因としては、身近なものとしてまず自律神経の乱れが考えられます。
自律神経は、全身の器官をコントロールする役割があるのですが、自律神経のバランスは、過度なストレスや生活習慣の乱れによって崩れることがあります。すると、下記のような全身症状が引き起こされるようになるのです。
貧血の人は、酸素の運搬役であるヘモグロビンや赤血球の量が減少しており、全身に十分な酸素が供給されなくなるために、さまざまな症状が出るようになります。
例えば、脳が酸素不足に陥るために頭痛やめまいが起こったり、また筋肉が酸素不足になるために倦怠感や動悸、息切れが起こりやすくなります。
特に女性は月経の影響や、過度なダイエットによる食事制限で鉄欠乏性貧血を起こしやすい傾向にあります。
低血圧の人は、立ち上がった時や長時間立っている時などにめまいや頭痛、動悸などを引き起こしやすくなります。
血圧が低い状態が続くと、重力の作用に逆らって送り込まれる脳への血流量が低下します。その結果、めまいや頭痛を引き起こしやすく、脳への血流を維持しようと心拍数が上昇するため、動悸を感じることも少なくありません。
また、立ち上がった時などは急激に脳の血流が低下して、強いめまいや立ちくらみを起こし、思わぬ転倒や怪我をすることもあります。普段から血圧が低めの人は、ゆっくり立ち上がる、近くの安定したものにつかまって立ち上がる、などの習慣を身につけるようにしましょう。
高血圧も、動悸や頭痛、めまいを引き起こす原因の一つです。
まず、高血圧の原因としては心筋症や心筋梗塞などの心疾患があるのですが、これらの病気が原因で不整脈が起きているために、動悸が起こるようになります。また、高血圧だと脳血管を流れる血流が異常に上昇し、血漿成分が脳血管から漏れ出すことで脳がむくみ、頭痛が引き起こされるようになります。
そして、高血圧によるめまいには、脳梗塞や脳出血などの脳の病気が関連しています。これらの病気は高血圧の合併症の一種であり、これにより脳の血流が低下すると、平衡感覚を司る神経が損傷することでめまいが起きることがあります。
女性は妊娠すると、女性ホルモンの一種であるプロゲステロンの分泌量が増えるために、呼吸中枢が刺激され、動悸や息切れが起こりやすくなると言われています。また、妊娠すると母体では胎児の血液を確保するために、血液量が増えるのですが、このとき赤血球よりも血漿量(血液の液体成分)の方が多くなるため、血液の濃度が薄まり、貧血を起こすことがあります。この貧血は、動悸やめまい、頭痛、倦怠感を引き起こす主要因の一つでもあります。
自律神経の乱れや貧血、高血圧、妊娠など、動悸や頭痛を引き起こす原因にはさまざまなものがあります。併発している症状や体の状態によって、考えられる原因は異なるので、まずは医師にきちんと自分の状態を伝えることが大切です。