緑内障の検査にはどんな種類があるの?検査の頻度ってどのくらい?

2018/8/21

渡辺 先生

記事監修医師

東京都内大学病院眼科勤務医

渡辺 先生

緑内障にはいくつかの必要な検査があります。検査を受けることによって、緑内障の種類や進行具合を診断し、治療を開始しますが、具体的にはどんな検査方法があるのでしょうか?緑内障の検査、頻度などについて解説していきます。

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緑内障の検査では眼圧検査を行う

眼圧検査とは

眼圧検査とは、眼内液(房水)の圧力を測定する検査で、主に緑内障(りょくないしょう)の検査で用いられます。緑内障は、眼圧が上昇することにより、視神経が圧迫・障害され、視力の低下や視野狭窄(きょうさく)を引き起こす病気で、眼の痛みやかすみ、充血、頭痛、吐き気などの症状が生じます。眼圧の正常値は10~20mmHgほどですので、21mmHg以上あるときは緑内障が疑われます。

検査方法

一般的に、眼圧の検査方法には細隙灯(さいげきとう)顕微鏡を取りつけたゴードマン眼圧計が用いられます。
暗室の検査台の前に座り、顎台に顎をのせてから麻酔薬を点眼し、プリズム圧平面を角膜中央に接着させて眼圧を測ります。痛みはありませんが、点眼薬が少ししみる場合があります。検査時間は1~2分ほどです。
現在では、直接眼球に接触することはなく、麻酔も使用しない検査方法が広く用いられています。圧搾空気を吹きつけて、角膜のへこみ具合によって眼圧を測定するだけですので、体への負担がありません。また、緑内障の検査の際には眼圧検査は毎回行われます。

緑内障の検査 ― 眼底検査について

眼底検査とは

眼底検査とは、網膜とその血管、脈絡膜、視神経乳頭などのある部分の異常を調べる検査で、網膜剥離(はくり)や眼底出血、緑内障などの眼の病気を調べるときに用いられます。網膜剥離が起きている場合は、青白く混濁して見え、さらに進行すると盛り上がってしわ状に見えます。また、糖尿病網膜症では、眼底の毛細血管瘤や血管新生、出血斑が見られます。また、網膜は人体の中で唯一直接血管を観察できる部位なので、動脈硬化、脳腫瘍、高血圧、糖尿病などの病気の推察もでき、生活習慣病の検査としても有効です。

検査方法

まずは、散瞳(瞳孔を開いた状態)の眼を観察(直像鏡検査)し、次いで眼から少し離れて観察(倒像鏡検査)し、その後、散瞳薬を点眼してから30分後に細隙灯顕微鏡にレンズをつけた眼底カメラで検査します。
眼底カメラは、検査台の前に座り顎受けに顎をのせ、額当てにしっかり額を当て、両眼を開いた状態で一定の所(固定灯)を見て、瞳孔に光を当てたものを両眼1枚ずつ写真を撮ります。
散瞳のあとの5~6時間はまぶしいので、検査後の歩行に注意してください。また、車の運転も危険ですのでしないようにしましょう。また、緑内障の検査の際には眼底検査は毎回行います。

緑内障の検査でコンタクトレンズを使うものがあるの?

隅角検査とは

主に診断のために行う検査で、専用のコンタクトレンズを用いて行います。特殊なコンタクトレンズを患者さんの目に押し当てて隅角を観察することで診断します。検査の際に点眼麻酔を使用しますが、痛みはありません。緑内障の検査の際には隅角検査は年1回程度行います。

緑内障の視野検査はどのくらいの頻度でするの?

視野検査とは

視野の範囲を調べる検査で、緑内障の進行具合を調べるために用います。初期の緑内障は中心部位から15〜30度以内に視野の異常が出始め、末期になるまでは中心部の視野は保たれます。また、視野検査には大きくわけて以下の2種類があり、緑内障の検査の際には視野検査は年2〜4回行います。

ハンフリー視野計

異なる明るさ・大きさの光を提示して、光が見える最小の輝度からその位置の感度を決定する視野検査で、静的視野検査と呼ばれます。緑内障性変化のでやすい中心30度で検査をおこなうことが多いため、初期の緑内障の検出感度が高く、初期〜中期の緑内障の経過観察に適している検査です。

ゴールドマン視野計

指標を外から中心へ向かって動かしていき、そこで見えた位置をつなげて視野の範囲を測定する検査で、動的視野検査と呼ばれます。広範囲の視野測定にむいているので、ハンフリー視野計で測定困難だった視野の測定に適している検査です。

おわりに:症状がない場合でも眼科で検診を受けましょう

緑内障は自覚症状がほとんど現れないために、目に異変を感じた時にはすでに、症状がかなり進行してしまっている可能性があります。そうなると治療も難しくなるので、40歳を過ぎたら、緑内障検診を定期的に受けるようにしましょう。

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