痛風の痛みにロキソニン®︎を使ってもいいの?

2018/5/17 記事改定日: 2019/3/7
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

痛風発作では、ある日突然予期せぬときに、主に下半身に耐え難い激痛が走り、患部が腫れるなどの症状が現れます。市販薬で有名な痛み止めとして「ロキソニン®」がありますが、このロキソニン®は痛風に効果的なのでしょうか?ロキソニン®の痛風への効果と副作用について解説します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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痛風の痛みにロキソニン®は効果がある?

ロキソニン®は、脳に伝えられる「痛みの原因となる物質」(プロスタグランジン)の発生を抑えてくれる働きがあり、さまざまな種類の痛みに効果があります。痛風の発作は激痛を伴うため、通常の投与量では効果があまり見られないため、肝臓や腎臓に負担をかけないよう注意しながら、多めの量を処方される場合があります。

副作用

非ステロイド系消炎鎮痛剤は、胃の粘膜を保護している物質を妨げる働きがあるため、胃腸障害の副作用が強くなってしまうということがあります。
しかし、ロキソニン®は代謝された後に薬として作用する、プロドラッグと呼ばれるタイプなので、胃腸障害の副作用はボルタレン®などと比較すると少ないといわれています。

ただし、絶対に胃腸障害にならないというわけではないので、約3%ほどの人に消化器症状、むくみ、発疹などの副作用が現れることがあります。また、非常に確率は低いですが、腸閉塞の副作用が起こる場合もあります。

ロキソニン®を飲む間隔は?

ロキソニン®錠を2時間以内など極端に短い時間内に連続して服用すると、体内に蓄積してしまう可能性がありますが、基本的に4時間以上の間隔をあければ問題ないとされています。また、1日3回の食後の服用も可能です。

ロキソニン®には5~7時間の持続効果があるため、症状が現れたときのみ (屯服)使用が許可されている場合には、前回の服用から5〜7時間以上後に再度症状が出てから服用するようにしましょう。

痛風の痛みがひどいとき、ロキソニン®の量を増やしてもいい?

効果があまり出ないからといって、痛み止めを過剰に摂取しても、効果が大きくなることはありません。製薬会社が定めている量は、適切なデータや試行錯誤に基づいて規定しているため、必ず記載されている用法・用量を守るようにしましょう。また、医師や薬剤師の指示に従って服薬することが大切です。

基本的に、薬の使用は医師の指示によって行うものであり、自己判断で勝手に薬の量を増やしてはいけません。また、ロキソニン®は胃に負担をかけやすい薬のため、一度にたくさん服用すると胃が荒れて腹痛を起こすなど副作用が生じる可能性があり、危険です。

ロキソニン®を服用しながらボルタレン®テープを貼ってもいい?

基本的には、2つ以上の薬を自己判断で併用することはすすめられません。鎮痛剤にはそれぞれの薬で起こりうる可能性のある副作用が記載されていますが、2つ以上の薬を組み合わせることで、予期せぬ副作用が起こる可能性があります。

病院の処方薬は、医師や薬剤師が飲み合わせなどをしっかりと把握した上で薬の処方をしていますが、医療知識の無い方が自己判断で複数の薬を合わせて飲むことはとても危険です。痛風発作を一時的に抑えるために、市販薬を利用する際には、使用する薬を一つに絞り、規定の用法・用量を守って服薬をしてください。

痛風の人は鎮痛薬も医師から処方してもらおう

市販のロキソニン®でも痛風発作の痛みを抑えることはできます。しかし、ロキソニン®には痛みを軽減する効果はあるもののあくまで一時的な対処であり、痛風の人は尿酸値を適正にコントロールしていく必要があります。また、ロキソニンは過剰に服用すると胃の粘膜にダメージを与えて胃炎や胃潰瘍を引き起こすことも少なくありません。

痛風発作が疑われる痛みがある場合は、なるべく早めに病院を受診し、尿酸値を安定化させるための適切な治療を行うと共に、発作時の鎮痛薬に関しても自身に合ったものを処方してもらうようにしましょう。

おわりに:ロキソニン®は用法用量を守って。基本的には医師に処方してもらおう

医師から処方された薬を飲むのが一番ですが、痛みで病院に行くこともできないという場合もあるでしょう。そのような状況では、あくまでも一時的な対処として市販薬を使うことも選択肢のひとつです。

ただ、ロキソニン®は痛風の痛み止めとしても有効な場合もありますが、用量や用法を守って服用をしないと、胃に負担をかけたり、逆に症状を悪化させてしまうことにもなりかねません。また、他の薬との併用も、予期せぬ副作用が起こる可能性があります。薬の服用は用法用量を正しく守り、他の薬と併用するときは必ず医師に相談しましょう。

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