記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
足の親指の付け根などに激痛と炎症が起こる痛風発作ですが、そもそもなぜ足に発作が起こるのでしょうか?また、痛みの原因は何なのでしょうか?痛風の発生箇所や痛みの原因について解説していきます。
痛風とは、尿酸が体の中に溜まり結晶化することで、激しい関節炎を伴う病気です。 適切な治療を受ければ健康な生活が送れますが、放置すると関節に激痛が走る発作を繰り返したり、結節ができたり、腎臓が悪くなったりする場合もあります。
痛風発作が発生するのは下半身が約90%とされており、特に足の親指のつけ根は最も発症率が高いとされています。また、発症するのはどちらか片方の親指だけで、もう片方の親指や他の箇所が同時に痛むことはありません。これは痛風の特徴的なポイントとされており、他の病気と見分ける際にも役立ちます。
親指のつけ根に発症すると、つけ根の関節から足の甲にかけて、赤、または赤紫色に腫れあがり、患部が熱を持ち始めます。そして足に激痛が走るため、歩行が非常に難しくなります。痛風発作は、血液中の尿酸結晶が上昇することで起こるため、血流が良くなるとさらに痛みます。
このような親指に発作が起こるのは痛風初期に多く、痛風の病状としてはまだ軽度の状態とされており、さらに症状が悪化すると、膝や上半身の関節にまで発作が広がります。
痛風は血液中などに尿酸が溜まり、結晶化することで発症します。足の親指の発症率が高い理由は未だ解明されてないのですが、足の親指のつけ根は関節が大きく、体温が低い部位のため尿酸結晶が溜まりやすいと考えられています。
痛風発作は、信じられないような激痛を伴います。親指の関節から足の甲、足の裏にかけて、拡張器具でおし広げられるような強烈な痛みを感じます。また、痛んでいる箇所がどこなのかわからないほど広範囲に痛みが伴います。
痛風発作は突然起こるため、夜中に突然の激痛によって目覚めることも少なくなく、24時間にわたり激烈な痛みが続きます。また、足の親指に起きる発作は2~3日すると痛みが和らぎ、1週間~10日ほどで治まることが多いとされています。腫れの症状も痛みがひいた後、徐々に治ってきます。
血液中の尿酸濃度が上昇すると、関節内部に尿酸が溜まり結晶化します。この尿酸結晶が増えすぎると、関節面に沈着していた結晶が剥がれ落ちます。そして、剥がれ落ちた尿酸結晶を白血球が「異物」と認識すると、排除するために白血球が尿酸を攻撃し始め、炎症を起こします。これらの理由により激しい痛みが引き起こされるのです。
発作を未然に防ぐためには、尿酸値の上昇を防ぐことが大切なので、生活習慣の改善や尿酸降下薬による治療が必要になります。
足が痛むと、もしかしたら痛風なのではないか?と心配する人もいるでしょう。しかし、外傷を伴わない関節の痛みを伴う病気は痛風以外にもたくさんあります。
痛風発作の痛みは突然起こり、尚且つ激烈な痛みです。なんとなく痛いかもという程度のものではなく、おそらくこれまでに経験したことがないレベルの痛みですので、強烈な痛みを伴う場合は痛風の可能性があります。
以上のような項目に2つ以上当てはまる場合には、痛風の疑いがありますので、すぐに医療機関を受診しましょう。
初めて痛風を発症したとき、足の親指の付け根に痛みが起こったという人は多いのですが、なぜその場所に発作が起こるのかは、未だはっきりとはわかっていません。しかし、下半身に激痛が走ることが多いのは事実ですので、該当するレベルの痛みがある方は一度医療機関で診察を受けてみましょう。