痛風の治療でどんな薬が使われるの?治療すれば完治する?

2018/5/18

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

プリン体の過剰摂取で発症することで知られる痛風ですが、痛風の治療薬には、具体的にはどのような種類があるのでしょうか?また、副作用などはあるのでしょうか?痛風の治療で使われる薬や、副作用について解説します。

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痛風治療で使われる薬は?

痛風の治療で使用される薬には、発作が起こったときに使用する「痛風発作治療薬」や、発作の前兆があるときに使用する「痛風発作抑制薬」、発作が落ち着いている時期に長期で使用する「尿酸排泄促進薬」、「尿酸生成抑制薬」、「酸性尿改善薬」などがあります。

痛風発作の前兆がある時に使用する薬:痛風発作抑制薬

  • コルヒチン錠
    成分:コルヒチン
    痛風の前兆(ピリピリ感やムズムズ感など)がある人が服用することで、発作の予防効果があります。

痛風発作が起こった時に使用する薬:痛風発作治療薬

  • ロキソニン®
    成分: ロキソプロフェンナトリウム
  • ボルタレン®
    成分:ジクロフェナクナトリウム

上記2つの薬は非ステロイド系の抗炎症薬で、NSAIDsとも呼ばれます。

その他の薬

NSAIDsパルス療法(短期間でNSAIDを比較的多量に投与する方法)で症状が改善しなかった場合や、蔓延性痛風発作のような短期間で痛風発作を繰り返し発症するような場合に、ステロイド系の薬プレドニゾロンやプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウムが使われることがあります。

痛風治療薬の副作用は?

痛風発作抑制薬

大量に服用すると、下痢や腹痛などの副反応を起こす種類の薬もあるので、使用には注意する必要があります。

鎮痛消炎薬

鎮痛消炎薬の中には、心臓疾患や末梢動脈塞栓症などで処方される「ワルファリン」と併用することで、血中濃度が上昇する可能性があります。

尿酸生成抑制薬

尿酸生成抑制薬の1つであるアプリノールには、肝機能障害を引き起こす可能性があり、他の薬と比べて肝臓に負担をかけやすくなっています。

痛風は治療で完治するの?

残念ながら、現在の医学で痛風は完治はしません。しかし、痛風は発作とうまく付き合うことできれば、健常者と変わぬ生活を送ることができます。
そのため、痛風で重要なことは「完治」ではなく、発作が起こらないように「予防」することになります。痛風の発作は尿酸値が上昇することにより発生するので、それをうまくコントロールすることがポイントになります。尿酸値は投薬治療により改善できるので、まずは医師に相談してみましょう。

おわりに:痛風の薬は服用を継続することが大切

痛風の発作時に処方される薬は、その人の状況や症状により異なります。痛風の前兆があるときや、発作が起こった後に服用するものなど、さまざまなタイプの薬があります。また、痛風は完治する病気ではないため、継続して薬を服薬することが大切です。自己判断で薬を中断すると、再び発作が起こる可能性がありますので注意しましょう。

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