記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/14
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
痛風の発作は予期せぬときに突然起こるため、初めて痛風発作を経験する人はその痛みに驚くことでしょう。
痛風発作の大きなの特徴は、耐え難い激痛とされていますが、症状は全身に現れることはなく、発生しやすい場所が限られています。痛みがおきやすい場所を事前に知っておくことは痛風発作の前兆に気づくきっかけになりますので、この機会に理解しておきましょう。
痛風による発作の一番大きな特徴は耐え難い激痛といえるでしょう。この激痛が起こる原因は尿酸ナトリウムが結晶化することによる炎症反応と考えられていて、初めて発作の大半は片足の関節に発生するといわれています。
尿酸ナトリウムの結晶は親指の付け根の関節に溜まりやすく、痛風による発作の7割が親指付け根の関節で発生するといわれています。
足の親指以外では、かかと、足の甲、くるぶし、足首(足の関節)、ひざ、アキレス腱、などに起きることがあります。まれに、ひじ、手首、指などの関節に発症する場合もありますが、股関節や肩関節などの大きく関節では起こることはないとされています。
高齢者に突然発症するとされている関節の病気に「偽痛風」があります。これは、ふだん関節軟骨や滑膜に沈着しているピロリン酸カルシウムの結晶が、関節内に分離して出てくることで発生するとされています。偽痛風という名称がつけられるほど、症状が痛風の痛みに似ています。
偽痛風は、決まった場所に痛みが起こることもあれば、長期間で複数の場所に痛みが起こることもあるとされていて、判断が難しい病気です。
痛みの場所が移動するからといって偽痛風と判断できるわけではありませんが、複数の場所に痛みが起こったり痛む場所が移りかわっていく場合は、偽痛風や関節リウマチなど痛風以外の病気が隠れている可能性がありますので、まだ診断をもらっていない場合は早めに病院を受診しましょう。
診断方法は、関節の腫れ・痛みの有無、レントゲン写真による石灰化像の確認、関節液や関節内組織内のピロリン酸カルシウムの結晶の確認などで行われます。
痛風では、足の親指などの関節が腫れて激痛が起こるなどの症状が現れます。この症状は突発的に発生するため「痛風発作」と呼ばれていて、発作後2~3日は歩行が困難になるほどの痛みが継続します。
その後痛みは治まっていきますが、医師による適切な治療を受けずに放置していると、何度も発作を繰り返して病態を悪化させてしまうので危険です。思い当たる症状があるときは、すぐに病院を受診しましょう。
痛風の発作では激しい痛みが起こりますが、その後痛みは自然に消えていくため放置してしまう方も少なくないかもしれません。もし過去に下半身や足の親指の付け根あたりが激しく痛んだことがあるという人は、すでに痛風を患っている可能性もあります。心当たりのある人は、病院を受診して痛みの原因を調べてもらいましょう。