記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/14 記事改定日: 2019/9/5
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ヘルペスの代表的な症状は、水ぶくれやかゆみなどの皮膚症状ですが、ときに頭痛が起こることがあります。この記事では、ヘルペスが引き起こす頭痛について、症状や原因、対処法を解説します。
ヘルペスウイルスは、一度感染すると人間の神経にすみつくものです。疲れやストレスなどがきっかけで増殖して、神経の炎症や皮膚の水ぶくれ、傷みやかゆみを引き起こします。
ウイルスが活性化していないときは、神経節(しんけいせつ)という部位に隠れています。顔の近くには、三叉(さんさ)神経という非常に大きな神経が枝のように広がっていて、痛みと咀嚼運動に関わっています。この三叉神経の神経節は耳の後ろあたりにあり、ここに潜んでいたヘルペスウイルスが活発になることで、神経が刺激をされて後頭部に不快な痛みが起こると考えられています。このように、後頭部から側頭部にかけチクチクと痛むような頭痛を後頭部神経痛と呼んでいます。
また、頭痛を引き起こす重度の症状として、ヘルペスが脊髄や脳に入り込み炎症を起こすヘルペス脳炎があります。ヘルペス脳炎は重篤な後遺症を残すこともあるため、早期に受診が必要です。
ただし、頭痛にはさまざまな要因があり、ヘルペスが原因の頭痛かどうかは医療機関を受診しなければはっきりわかりません。皮膚の状態や頭痛の状況などからヘルペスが疑われるときは、皮膚科やかかりつけの内科を受診しましょう。
ヘルペスが原因の頭痛は、マッサージを行っても改善しない可能性が高いです。水疱などの皮膚症状がある場合、マッサージで負荷が加わると水疱が破れて広がる恐れがあるなど、かえって悪化することもあります。
また、マッサージをする人にウイルスを感染させてしまうこともあります。皮膚症状が治るまで、マッサージは控えましょう。
頭痛の原因がヘルペスである場合、ヘルペスウイルスの増殖を防ぐために抗ウイルス薬による治療が大切です。医師によって処方される薬には以下のようなものがあります。
症状によって、内服薬のみの処方のこともあれば、ヘルペス脳炎など重篤な症状の場合は入院して点滴治療を2~3週間受けることもあります。いずれにしても、薬の使用には禁忌事項や副作用のリスクがあります。勝手に使用を止めたりせず、医師の指示のもとで治療を進めましょう。
ロキソニン®を始めとする市販の頭痛薬は、一時的に痛みを緩和するのみで、根本的な治療方法とはなりません。ヘルペスの症状は、ヘルペスウイルスの増殖を抑えなければ症状が悪化することもあります。医療機関を早期に受診し、抗ウイルス薬による治療を受けましょう。
ヘルペスウイルスが原因かどうかを明らかであれば、抗ウイルス薬による治療を早期に始めることが重症化を防ぐことにつながります。できるだけ早く、皮膚科やかかりつけの内科で診てもらいましょう。