ヘルペスが鼻にできたときは何科に行けばいい?市販薬でも治せる?

2018/5/18 記事改定日: 2019/2/19
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ヘルペスは唇だけではなく、鼻にできることもあります。唇にヘルペスができたときは皮膚科を受診することが多いでしょうが、鼻のヘルペスは何科を受診すればいいのでしょうか。治療法と予防法についてもあわせて紹介していきます。

ヘルペスが鼻にできることがあるの?

ヘルペスというと口唇ヘルペスが有名ですが、口唇だけではなく口のまわりにも症状が現れわれます。そして鼻は口に近いので、口から感染が広がり鼻にヘルペスができる人もいます。

鼻にできたヘルペスも、口唇ヘルペスと基本的には同じ症状が現れます。鼻の入り口付近や、鼻の内部の粘膜部分に発疹や水ぶくれができ、ピリピリ、チリチリといった痛みが起こります。

鼻にできたヘルペスは何科で診てもらえる?

口唇ヘルペスは、皮膚症状が中心のため皮膚科を受診することが多いものです。同様に、鼻にできたヘルペスも皮膚症状のため、皮膚科を受診し治療を受けることができます。鼻の中にも症状があるようなときは、もちろん耳鼻咽喉科を受診してもかまいません。

鼻のヘルペスの治療法は?

鼻のヘルペスの治療は、口唇ヘルペスの治療と基本的には同じです。口唇や鼻にできるヘルペスの原因は、単純ヘルペスウイルスです。まずは、飲み薬や塗り薬タイプの抗ウイルス薬を用いて、単純ヘルペスウイルスの増殖を抑えることが治療の中心となります。塗り薬の場合は、1日に数回程度を患部にぬることになります。

単純ヘルペスウイルスは接触感染でうつります。皮膚にできた水ぶくれの中には多くのウイルスがつまっています。
水ぶくれが破れてウイルスがむき出しになっているところに触れた手であちこちを触れば、ウイルスがうつってしまう可能性があります。
また、頬ずりなどのスキンシップでうつることもあります。特に、傷や肌荒れ、鼻や口の中の粘膜部位はウイルスが侵入しやすい場所ですから注意が必要です。

薬を塗ったあとは手をきれいに洗い、むやみに患部を触らないようにししましょう。また、タオルやコップなどは共用にせず、肌同士が密着することも止めましょう。治療中は家族や身近な人に移さないような配慮も必要です。

鼻のヘルペスに市販薬は効く?

初めて口唇ヘルペスになったときは医療機関を受診して、医師に薬を処方してもらわなければなりません。しかし、口唇ヘルペスは再発をする病気です。近年では、再発時に薬剤師のいる薬局やドラッグストアで購入できる市販薬が販売されています。

  • アラセナ®️S(軟膏タイプ)・アラセナ®︎S(クリームタイプ)
  • ヘルペシア®︎
  • アクチビア®軟膏

これらの薬は再発の症状であれば必ずしも買えるものではありません。いずれの薬も6歳未満の子供には使えません。また、症状が広範囲に渡っていたり、痛みが強かったりするときは医療機関を受診することになります。

また、アレルギー体質であったり、口唇以外に症状があったりする人も使用が難しいでしょう。

上記で示したサイトや店頭のパンフレットなどに、症状のチェックシートがあります。市販薬を購入する前にチェックシートに記入をして店頭に持参するか店頭で確認をして、薬剤師に相談をしましょう。症状によっては、市販薬の購入ではなく医療機関の受診をすすめられることもあります。

鼻にできるヘルペスは予防できる?

鼻のヘルペスを予防するには、口唇ヘルペスの感染・再発を予防することが大切です。
そのためにも以下のような対策を行いましょう。

  • 口唇ヘルペスを発症している人とのキスなどの接触を控える
  • 家族内に口唇ヘルペスを発症している人がいる場合は、タオルや寝具などの共用を避け、手洗い・手指消毒を徹底する
  • 睡眠や休息時間をしっかり確保して疲れを溜めない生活を心がける
  • 適度なストレス発散方法を身に付ける
  • バランスよい食生活を送る
  • 口唇部の日焼けや飲食物などによる過度な刺激を控える

おわりに:早期対応が悪化防止につながる!不安があるときは医師に相談を

顔にできるヘルペスといえば口唇ヘルペスが有名ですが、口のすぐ近くである鼻にも症状が出てしまうことがあります。口唇ヘルペスと同様に赤みや水ぶくれ、痛みなど不快な症状が起こります。再発のときは条件が合えば身近な薬局で市販薬を購入することができますが、いくつか条件があります。

また、症状を悪化させてしまうと、市販薬では改善しきれないこともあります。いずれにしても早めの対応を心がけ悪化を防ぎましょう。

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