片頭痛で漢方薬にはどんなものがある?使い方の注意点は?

2018/5/17 記事改定日: 2019/2/26
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

片頭痛になると、頭痛以外にも吐き気やおう吐などの症状に悩まされることも少なくありません。治療薬としてはトリプタン製剤が使われるのが一般的ですが、漢方薬が症状緩和に役立つことがあることをご存知でしょうか。
この記事では、片頭痛に効果があるとされている漢方薬を紹介していますので、参考にしてください。

片頭痛の漢方薬「五苓散(ごれいさん)」ってどんなもの?

片頭痛は女性に多く、吐き気やおう吐、目の前がチカチカと光るなどの症状も起こることがあります。

「五苓散(ごれいさん)」は5種類の生薬が配合されたもので、東洋医学的には、身体の働きを高めて余分な「水(すい)」(飲食物中の水分を消化吸収によって人の体に必要な形にして体を潤すもの)を身体の外へ出す働きを持つとされています。

東洋医学での片頭痛の原因

東洋医学では、水分が身体に偏在することで吐き気を生み、結果的に片頭痛を誘発するという考え方から、五苓散は片頭痛や血液透析に伴う頭痛などに効果的とされています。

のどの渇きや尿量の減少などを伴う頭痛に適し、体力や身体の冷えを問わずに使えることから吐き気やおう吐、腹痛、めまい、下痢、むくみなどのさまざま症状にも使われます。

特にむくみやすい、二日酔いになりやすいなど、身体に水分をため込みやすい人に効果を発揮すると考えられています。

片頭痛に効く漢方薬、五苓散以外にどんなものがある?

片頭痛に効く漢方薬としてもっとも多く使われているのは、「呉茱萸湯(ゴシュウトウ)」です。
吐き気やおう吐を伴う片頭痛に処方され、特に身体の内側(内臓)や手足の冷えが強い人に効果的で、水分の代謝が滞りやすい体質の改善に効果が期待できるとされています。

また、「半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)」は胃腸の不調と冷えからくる頭痛・めまいに効果的とされ、体力が弱く胃下垂や胃腸虚弱の人によく処方されます。
「桂枝人参湯(ケイシニンジントウ)」も胃腸虚弱がある人に処方されることが多く、胃腸障害を伴う頭痛や身体が冷えることで痛みが強くなるような頭痛に良いとされています。「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)」は、身体を温め、冷えからくる頭痛に効果が期待でき、さまざまな冷え症の症状にもよいとされています。

片頭痛で漢方薬を飲むときの注意点は?

漢方薬は、治療を目的とする西洋薬に対し、体質や身体の状態に応じて体質改善や症状の緩和を目的として処方されることが多いといわれています。頭痛で漢方薬を使うときには、まず自分の頭痛の症状、痛み方の特徴、起こしやすい時間帯や身体の状態など「頭痛の症状をチェック」するとともに、「自分の体質をチェック」し、「頭痛以外の症状のチェック」もしてから選ぶようにしましょう。

ただし、漢方薬は、全体的な身体の状態を整えることで症状を改善することから、同じ症状でも人によって効果が出る薬が異なることも少なくありません。一人ひとりの体に合った薬を使っていくことが大切です。

また、頭痛には脳梗塞などの重大な病気が隠れている可能性があります。自己判断せずに、専門の医師の説明を受けて適切な漢方薬を処方してもらいましょう。

漢方薬と一緒にやった方がいい対策はある?

漢方薬を服用することによって、片頭痛の症状を改善することができる場合があります。しかし、漢方薬の効果には個人差があり、より高い効果を期待するには漢方薬の服用と合わせて以下のような一般的な片頭痛対策も同時に行うようにしましょう。

  • アルコールやカフェインの摂取を控える
  • 暗く静かな場所でゆっくり休む
  • 痛みのある部位をタオルなどで冷やす
  • 睡眠を多くとるようにする

おわりに:漢方薬は身体全体を整えるもの。症状や体質などを把握したうえで、専門の医師に相談を

漢方薬は、1つの症状に効果を発揮するものではなく、それぞれの人の体質に合わせた服用によって全体的な身体の状態を整えるものです。まずは自分の状態をきちんと把握し、何か重大な病気が隠れていないか十分な診察や検査を行い、専門の医師の説明を受けたうえで適切な漢方薬を処方してもらいましょう。

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