記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
パーキンソン病は、家族・親族間で遺伝する病気なのでしょうか?
今回は、パーキンソン病の発症原因や遺伝による発症の可能性、また遺伝の可能性がある場合の予防の可能性についても、ご紹介していきます。
パーキンソン病は、近年の研究では主に脳の黒質という部分の神経細胞とドーパミンの減少によって、運動関係の機能が低下することで発症する病気と考えられています。
50歳以上の人に発症しやすいとされ、発症原因の一部には、ドーパミン減少以外に遺伝子が関係していると考えられています。
ただし、発症には上記の他に外的要因が関係することもあるため、パーキンソン病の正確な発症原因は不明であり、基本的には遺伝するような病気ではないとされます。
しかし一方で、パーキンソン病患者のうち5~10%程度には、血縁者からの遺伝によって発症する「家族性パーキンソン病」の人が含まれることもわかってきました。
家族性パーキンソン病は、1つまたは複数の先天的な遺伝子異常が、血縁者に遺伝することを大きな要因として発症するものです。
たとえ血縁者のなかにパーキンソン病患者が1人であっても、遺伝子にパーキンソン病の発症要因となる異常が発見されれば、家族性パーキンソン病と考えられます。
なお、家族性パーキンソン病の遺伝子異常には複数のパターンがあるため、患者によって異常のある遺伝子の部位や数、適切な治療方法などは異なってきます。
家族性パーキンソン病において、なぜ発症につながるような遺伝子異常が起こるのか、またなぜこれらが遺伝するのか、はっきりとした原因はまだわかっていません。
発症の原因となる遺伝子異常の発見やパターンの解析はすすんでいますが、遺伝によるパーキンソン病発症の予防を行うのは、まだ難しいのが現状です。
ただ、自分がパーキンソン病発症の要因となるような遺伝子異常を持っているか、家族性パーキンソン病の可能性があるかどうかは、遺伝子解析である程度は把握できるといわれています。
血縁者にパーキンソン病患者がいる場合や、パーキンソン病を疑うような症状が見られて心配なら、一度近くの病院で医師の診察を受けることをおすすめします。
パーキンソン病の発症原因のほとんどは、脳の神経細胞およびドーパミンという物質の減少によるものであり、遺伝子が原因のものは一部です。このため、基本的には遺伝性の病気ではないとされますが、先天的な遺伝子異常が血縁者間で遺伝することによる「家族性パーキンソン病」は例外とされます。現代ではまだ家族性パーキンソン病の予防は難しいですが、気になる症状があるなら、まずは近くの病院の医師に相談することをおすすめします。