記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/18 記事改定日: 2019/7/25
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
頭痛とあくび、吐き気が併発した場合、原因としては何が考えられるでしょうか?病気のサインの可能性もあるのでしょうか?
この記事では、頭痛とあくびが同時に起こる原因と対処法について解説していきます。
頭痛とあくび、吐き気が見られる場合、原因のひとつとして考えられるのは「片頭痛」です。
片頭痛はストレスや睡眠不足、疲労、人混み、ホルモンバランスの変化などが原因で引き起こされる頭痛で、「予兆期→前兆期→回復期→寛解期」という経過を経て症状が変化し、収束に向かっていきます。具体的には、以下のような症状が見られます。
閃輝暗点(せんきあんてん)というフラッシュのような光が見え、視野の片側や中心部に拡大し、視野が見えにくくなる現象が起こることがあります。閃輝暗点自体は30分程度で落ち着きます。(閃輝暗点が出ない人もいます)
頭痛はズキズキと脈打つような拍動性の痛みが特徴で、動くと痛みが悪化し、光や音、臭いに敏感になります。吐き気を感じたり、実際に嘔吐してしまうこともあります。
頭痛の持続時間は、4時間〜3日間と個人差があります
これらの症状を経て、痛みは徐々に緩和していきます。
片頭痛が起こったとは、とにかく安静にすることが一番です。光などの刺激によって頭痛や吐き気がひどくなることがありますので、暗く静かな部屋でゆっくり横になりましょう。スマホやタブレットなどは目に刺激を与えますので見ないようにしてください。
ズキズキと痛む部分があるときは、氷枕やアイスノンなどで冷やすと一時的に痛みが軽減することがあります。もし病院から頭痛発作時の薬を処方されている場合は、本格的に頭痛がひどくなる前に服用しておくことをおすすめします。
頭痛とあくびは、脳梗塞の前兆のことがあります。脳梗塞とは、高血圧や動脈硬化などによって、脳血管が詰まったりして血流障害が起こり、脳が壊死した状態のことです。脳梗塞の前兆としては、以下の症状が現れることがあります。
締め切った室内で空調を長時間使用するなどして換気状態が悪くなると、脳が酸欠状態に陥って頭痛やあくびを引き起こすことがあります。
脳が活動するためには多くの酸素が必要です。酸素は血液を介して脳へ運ばれていきますが、酸素が足りなくなるとたくさんの血液を送ろうとするために血管が広がり、広がった血管が周辺の神経を刺激して頭痛を引き起こすことがあります。
また、明確なメカニズムは解明されていませんが、脳が酸欠状態になると多くの酸素を取り入れようとあくびが引き起こされると考えられています。
あくびを伴う頭痛が生じた場合は、窓を開けて換気をしたり、身体を締め付けている衣類を緩めるなどの対策を講じましょう。また、頭痛がひどい場合は空気がいい場所に横になって休むのも効果的です。
頭痛と併せて吐き気が起こったり、その前兆として生あくびが出た場合は、片頭痛や空気が悪く酸欠状態になっている可能性があります。安静にしたり空気を入れ替えたりして、症状がひどくならないように対処しましょう。
ただ、あくびや頭痛は脳梗塞の前兆として現れることもあるので、ろれつが回らない、手足のしびれなど明らかな異変が見られた場合は、たかが頭痛、たかがあくびと軽く考えず、すぐに病院を受診してください。