ノロウイルスの原因は牡蠣だけじゃないって本当?

2018/5/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ノロウイルスに感染する恐れのある食品として、牡蠣が有名ですが、そもそもなぜ感染しやすいのでしょうか?また、その他にも感染する危険のある食品はあるのでしょうか?ノロウイルスの原因となる食品について解説します。

ノロウイルスの原因になる食品は?

食品中のノロウイルスの検査は、厚生労働省が平成15年11月に発行した「ノロウイルスの検出法」(平成19年5月に改正)に基づいて行われていましたが、食品別に検出感度が違うことや微量の検出問題点を修正するため、平成25年12月に二枚貝以外の食品についての検査法が発行されました。

ノロウイルス感染症は、カキ、ウチムラサキ貝(大アサリ)、シジミ、ハマグリなどの二枚貝を十分に加熱しないで食べると感染する可能性が上がると言われています。
特にカキは1日240L以上の海水を吸収・ろ過していることから、生息域の水がノロウイルスに汚染されていると、内臓にウイルスを蓄積していってしまうと考えられています。また、ウイルスは二枚貝の内臓内にあるため、殻から出す時や洗う時に調理器具を汚染してしまう恐れがあるので注意が必要です。

予防するには

ノロウイルスの感染を予防するには、二枚貝は85℃~90℃で90秒間以上中心部までしっかり加熱してから食べるようにしましょう。さっと湯通しする程度の加熱では不十分です。
また、調理前の新鮮野菜(野菜、果物など)の洗浄はしっかりと行うようにしましょう。野菜類の除菌をする際には、下洗い後、次亜塩素酸ナトリウム(食品添加物であるもの)100mg/Lに薄めた液体に10分間浸す、または200mg/Lに薄めた液体に5分間浸してから、よくすすぐと効果的だとされています。

そして、トイレ後に調理や食事を行う際は、石鹸を使いしっかりと手をこすり洗いをし、清潔なタオルで拭きましょう。調理器具の消毒をする際には、次亜塩素酸ナトリウムを使用するか、市販の食器用漂白剤を250倍に薄めたものに浸すと効果的だとされています。

新鮮な牡蠣だったらノロウイルスに感染しない?

牡蠣の鮮度はあまり関係がない!

ノロウイルスに汚染されている二枚貝の場合は、たとえ鮮度が良いものであっても、内臓に存在するウイルス量は変化しません。新鮮なカキなら大丈夫というわけでは全くないのです。ただし一般的な食品の場合は、鮮度が落ちることで細菌が増え、食中毒を起こす可能性が高くなるといわれています。

「生食用カキ」でも感染の恐れがある

「生食用カキ」の成分規格の基準は、海水のキレイさ、水揚げ後の洗浄、細菌数、大腸菌数、腸炎ビブリオの数のみ規定されているので、ノロウイルス汚染の有無については含まれていません。そのため、生食用のカキ=ノロウイルスの汚染が無いというわけではないのです。もし生食用のカキであっても、ノロウイルス感染のリスクを避けるためには、他のカキと同様にしっかりと加熱する必要があるでしょう。

おわりに:二枚貝を食べる際には加熱消毒が必須です

ノロウイルスに感染する恐れのある二枚貝を食べる前には、よく加熱をしましょう。生食用と書いてあっても、危険性は変わらないので加熱消毒が必要です。また、二枚貝以外の食品であっても、感染者が消毒が不十分な状態で触ると、感染してしまう恐れがあるので気を付けましょう。

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ノロウイルス(53) 次亜塩素酸ナトリウム(10) 食中毒予防(6) 加熱消毒(4)