ノロウイルスにアルコールは効かないって本当?効果があるのは何?

2018/5/18 記事改定日: 2019/7/16
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ロウイルスの予防対策には消毒が必須です。ただ、アルコール消毒だけではあまり効果がないということを知っていますか?
ここでは、ノロウイルス対するアルコール消毒の効果や、ノロウイルスの消毒に使える消毒剤の使い方について解説していきます。

ノロウイルスにアルコール消毒は効かないの?

ノロウイルスはアルコール消毒や熱に対する抵抗力が高い「ノンエンベロープウイルス」であり、アルコール(エタノール・イソプロパノール)を吹きかけてもあまり効果がないとされています。

アルコールを使うのはどんなとき?

アルコールのノロウイルスに対する消毒効果はあまり高くないので、吐瀉物や下痢物などの大量のウイルスが含まれているもの処理に使うのには向いていません
ただ、消毒用アルコール(エタノール)には、次亜塩素酸ナトリウムにあるような

  • 金属への腐食のリスク
  • 皮膚に対しての刺激
  • 衣類の色落ちのリスク

などが少ないです。
そのため、以下のような場合には次亜塩素酸ナトリウムではなく、アルコールで消毒しましょう。

手指などの消毒
塩素系の消毒剤(次亜塩素酸ナトリウムなど)は肌荒れのリスクが高い
金属やプラスチック製品の消毒(トイレの便座やドアノブなど)
消毒用アルコールは次亜塩素酸ナトリウムと比較すると、プラスチックや金属の腐食作用が小さい。
木材製品(家具、手すりなど)
次亜塩素酸ナトリウムは塗装されていない木材に対して消毒の効果が弱まることがある

ただし、ノロウイルスの消毒にアルコールを使うときには、効果をより高くするためにも、必ず二度拭き(2回目に拭くのは、1回拭いてから15秒ほど後)をするようにしましょう。

ノロウイルスの消毒に次亜塩素酸ナトリウムと使うときの注意点

ノロウイルスの消毒自体は、塩素系漂白剤などに含まれている「次亜塩素酸ナトリウム」のほうが効果が高いです。通常の消毒なら200ppm~500ppm程度の塩素濃度で消毒できます。

次亜塩素酸ナトリウム消毒液(塩素濃度200ppm)の作り方

市販の塩素系漂白剤20mlを5Lの水で薄めて、250倍希釈の次亜塩素酸ナトリウム消毒液を作ることができます。ただし、漂白剤は塩素系のものでなければ効果がありません。酸素系ではなく塩素系の漂白剤を選ぶようにしましょう。

次亜塩素酸ナトリウム消毒液を作る際には必ず手袋をはめて、他の薬品を混ぜたり、熱湯で希釈しないようにし、必ず以下のことを守って使用してください。

  • 絶対に人体に使用しない
  • 次亜塩素酸ナトリウムの塩素濃度は商品ごとに違うので確認する
  • 子供が手の届かない、冷暗所で保管する
  • 皮膚についたときは、すぐに水や石鹸で洗い流す
  • 部屋の換気をしながら使う

次亜塩素酸水(酸性電解水)でノロウイルスを消毒できる?

次亜塩素酸水とは、塩酸や塩化ナトリウム水溶液(食塩水)を電気分解することでできる消毒液のことです。塩素を多く含むためノロウイルスなどアルコールが効かないウイルスに対して一定の消毒効果があるうえに、次亜塩素酸ナトリウムのように人体に有害な作用を持ちません。加工食品などの殺菌料として食品添加物にも指定されています。

次亜塩素酸水は原液を薄める必要もなく手荒れなどのリスクもほとんどないため、非常に使いやすい消毒液です。
ただ、ウイルスに汚染された吐物や便などに浸すと消毒効果が薄くなるので、汚染物を消毒する際にはあらかじめ吐物や便などをふき取ってから消毒をするようにしましょう。また、漬け置きなどには向かないので、消毒の仕方によって次亜塩素酸ナトリウム溶液と使い分けるようにしてください。

おわりに:ノロウイルスの消毒には次亜塩素酸”水”と次亜塩素酸ナトリウムを使い分けよう

ノロウイルスの消毒には今まで次亜塩素酸ナトリウムが使用されてきましたが、次亜塩素酸ナトリウムは人体に直接使用することはできません。そのため、手指の消毒などではアルコール消毒で代用する必要がありました。
でも、ノロウイルスは次亜塩素酸水で消毒できます。次亜塩素酸水は人体にも害がありませんので、アルコール消毒は次亜塩素酸水がないときに使うようにし、できれば次亜塩素酸水を常備しておくようにしましょう。

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