ノロウイルスにアルコールは効かないって本当?効果があるのは?

2018/5/18

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ノロウイルスの予防対策として消毒は必須ですが、アルコール消毒ではいけないのでしょうか?他にどんな消毒剤があるのでしょうか?ノロウイルスとアルコール消毒の関係性や、消毒剤について解説していきます。

ノロウイルスにアルコール消毒は効かないの?

ノロウイルスはアルコール消毒や熱に対する抵抗力が高い「ノンエンベロープウイルス」とされており、消毒したい箇所にアルコール(エタノール・イソプロパノール)を吹きかけてもあまり効果がないとされています。

アルコール消毒を活用できるケース

ノロウイルスの消毒は、消毒する対象物の性質に合わせて適切な処理をすることが大切です。そのため、吐瀉物や下痢物などの大量のウイルスが含まれている場合を除いた場合、アルコール消毒を使用できるケースがあります。エタノールには、次亜塩素酸ナトリウムのように、金属に対する腐敗作用、皮膚に対する刺激・損傷作用、衣類に対する漂白効果などの恐れが少ないため、以下のような場合にはエタノールの使用が推奨されます。

  • 塩素系の消毒剤(次亜塩素酸ナトリウムなど)を人体に使用すると、肌荒れを起こしてしまう恐れがあるので、手指の消毒などにはアルコールの使用が推奨されています。
  • エタノールは次亜塩素酸ナトリウムと比較すると、プラスチックや金属の腐敗作用が少ないため、トイレの便座やドアノブなどのふき取り消毒にはエタノールが推奨されることがあります。
  • 次亜塩素酸ナトリウムは木材の消毒において効果が弱まってしまうので、家具、手すり、椅子、ベンチなどの塗装されていない木材には、エタノールの使用が推奨されています。

また、エタノールを使用する際には、二度拭き(15秒ほど後に2度目の清拭をする)をすると、効果が高まるといわれています。

ノロウイルス消毒、アルコールより効果があるものは?

ノロウイルスの消毒には、塩素系漂白剤などに含まれている「次亜塩素酸ナトリウム」が効果的だとされています。通常の消毒では200ppm~500ppm程度の塩素濃度で消毒が可能ですが、汚染個所が広範囲に及場合や汚れが酷い場合には濃度を調整して使用するようにしましょう。

次亜塩素酸ナトリウム消毒液(塩素濃度200ppm)の作り方

市販の塩素系漂白剤20mlを5Lの水で薄めて、250倍希釈の次亜塩素酸ナトリウム消毒液を作ることができます。なお、塩素系漂白剤は酸素系の物ではなく、塩素系の物でなければ効果が得られないため注意しましょう。また、消毒液を作る際には手袋をはめて、他の薬品を混ぜたり、熱湯で希釈しないようにしてください。

次亜塩素酸ナトリウムの使用上の注意点

  • 次亜塩素酸ナトリウムは人体に使用することはできません。
  • 販売されている次亜塩素酸ナトリウムの塩素濃度は、商品により異なるのでよく確認しましょう。
  • 次亜塩素酸ナトリウムの保管をする際は、子供の手の届かない、冷暗所で保管しましょう。
  • 次亜塩素酸ナトリウムが皮膚に付いた場合は、肌荒れを起こす可能性があるので、すぐに水や石鹸で洗い流しましょう。
  • 次亜塩素酸ナトリウムには金属腐敗作用があるので、金属類にはあまり多く使用しないようにしましょう。
  • 他の薬品と混ぜ合わせると、強毒のガスを生じさせる可能性があるので、絶対に混ぜないようにしましょう。
  • 次亜塩素酸ナトリウムを使用する際には、部屋の換気をしっかり行いましょう。

おわりに:アルコール消毒は手指の消毒に使おう

ノロウイルスの予防対策として、次亜塩素酸ナトリウムが使用されるのが一般的ですが、次亜塩素酸ナトリウムは人体に直接使用することは出来ないので、手指などの消毒にはアルコール消毒が使われるのが一般的です。アルコール消毒は効果がないから使わない、というのではなく、使用する対象物の性質に合わせた使い方をすることが大切です。

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