ママにも赤ちゃんにも悪影響!妊娠糖尿病の検査をしよう

2017/3/23

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「妊娠糖尿病」という症状を知っていますか?
1型糖尿病や2型糖尿病とは異なり、妊娠時にのみ発症するタイプの糖尿病で、妊娠20週目前後の早い時期に発症します。
多くの場合は赤ちゃんが生まれた後で元に戻り、発症率も10%程度とまれな症状ではありますが、気付かずに放置していると出産時や出産後、深刻な問題に発展することがあります!
そんな妊娠糖尿病のリスクや検査方法についてまとめました。

妊娠糖尿病の症状やリスクは?

妊娠糖尿病の主な症状は高血糖です。
妊娠中に糖尿病になっていると、赤ちゃんが何らかの疾患を持って生まれてしまう可能性があります(血糖値が低い、黄疸がある、出生体重が通常よりも大きいなど)。

また、リスクは母親にも及びます。胎児が非常に大きい場合は、出産が困難になり帝王切開が必要になったり、子癇前症(しかんぜんしょう※)を発症するリスクが増加したりします。子癇前症は、未治療のまま放置すると深刻な問題をもたらすことがあります。
※子癇前症:妊娠によって引き起こされる高血圧です。

妊娠糖尿病の検査

妊娠糖尿病の主な検査方法には、尿検査と血液検査(グルコーススクリーニング検査)があります。

尿検査

妊娠中に尿検査を行うことで、出産時のリスクとなる妊娠糖尿病と子癇前症を発見することができます。妊娠時の尿中にブドウ糖(または糖)が存在していれば妊娠糖尿病、タンパク質が存在していれば子癇前症の可能性があります。

なお、尿中の赤血球や白血球によって尿路感染症(UTI※)が判明するケースもあります(UTIは治療可能な病気です)。
妊婦の尿サンプルを試験紙にたらし、瞬時に色が変わった場合は妊娠糖尿病の陽性判定となりますが、あまり気を病まないようにしましょう。半数近くの女性が妊娠中のいずれかの時点でこのような結果になりますし、ほとんどの人は妊娠糖尿病にかかりません。ただし、2回連続で尿中のブドウ糖検査が陽性だった場合、医者はすぐにでもブドウ糖スクリーニング検査を実施する可能性があります。また、タンパク質検査で陽性が出た場合は、ほかに子癇前症の症状が出ていないか調べるために追加検査を実施する場合があります。
なお、尿検査による妊婦や胎児へのリスクはありません。
※尿路感染症(UTI):急性膀胱炎や尿道炎、急性腎盂腎炎(じんうじんえん)などの総称です。

血液検査(グルコーススクリーニング検査)

グルコーススクリーニング検査は、妊娠24~28週目のすべての妊婦に推奨されている妊娠糖尿病の検査です。検査方法は、事前に検査用の甘い飲み物を飲み、採血によって血糖値を測るというものです。血糖値が基準値より高かった場合は、2度目のブドウ糖負荷試験をします。この検査では、より甘い飲み物を数時間かけて飲むことによって、確実な診断結果を得られるようにします。

おわりに

赤ちゃんの血糖値の低下や黄疸、そして難産を引き起こす可能性のある「妊娠糖尿病」。
「発症率も低いし、私には関係ない」とは思わずに、赤ちゃんのためにも自分の身体のためにも、出産前にきちんと検査を受けることが大切です!

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