記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
副作用として不整脈を起こす薬にはどのようなものがあるのでしょうか?また肺炎を起こす薬はあるのでしょうか?
この記事では、不整脈の薬の副作用についてと、断薬について解説していきます。
心筋のナトリウムチャネルを抑制することにより、心臓の興奮状態を遅らせ、頻脈性不整脈を抑える効果があります。通常、発作性心房細動・粗動・心室性の頻脈性不整脈などに使用されます。
服用では、通常は100mgから服用をはじめ、必要に応じて200mgまで増量することができます。1日2回に分けて服用します。
副作用として、重い不整脈や心不全を引き起こす恐れがあるので、定期的に心電図検査を受けましょう。
そのほか、動悸、徐脈、心房細動、掻痒(そうよう:かゆみのこと)、発疹、胸部不快感、めまい、頭痛、悪心、腹痛、複視(物が二重に見える)、羞明(まぶしさ)、視力異常、などが起こる可能性があります。気になる症状があるときは、担当医や薬剤師に相談しましょう。
心筋のNaチャネル抑制効果(膜安定化作用)により、脈拍を正常にする効果があります。通常、不整脈の治療に使用され、通常は、1回150mgを1日3回服用します。
副作用として、重い不整脈や心不全を引き起こす恐れがあります。
その他、動悸、胸痛、めまい、ふらつき、発疹、掻痒、倦怠感、などが起こる可能性がありますので、気になる症状がある時は、担当医や薬剤師に相談しましょう。
アンカロン®(アミオダロン塩酸塩)は心臓の興奮を抑えて、不整脈を正す効果があり、再発性不整脈の治療に使用されますが、重い不整脈や心不全の副作用のほかにも、間質性肺炎などの肺の過敏症状を引き起こす可能性があります。
そのほかにも、肝障害、角膜色素沈着、甲状腺機能の異常などの副作用が起こる可能性があるので、気になる症状があるときはすぐに担当医に相談してください。
また、、持続性心房細動や頻脈性不整脈に有効とされるベプリコール®(ベプリジル塩酸塩水和物)も、副作用として、間質性肺炎などの肺の過敏症状が現れる可能性があります。咳・息切れ・発熱などの症状がある場合は、必ず担当医に担当医に診てもらいましょう。そのほかにも、めまい、ふらつき、動悸、頭痛、吐き気、などが起こる可能性もあるので、症状の変化には注意してください。
不整脈の薬は、その薬の種類や、服用している理由などがとても重要になります。断薬すると命に関わる不整脈の場合は、自己判断で薬の服用を止めることは非常に危険です。
しかし、専門医ではない医師から、期外収縮(脈拍が不規則なこと)が1、2回ある程度で処方された薬や、不整脈がもうないのに飲み続けている場合などは、すでに服薬は必要ない可能性があります。
このように、不整脈の薬は飲んでいる理由こそが重要なので、自己判断で断薬をすることはおすすめできません。まずは、現在服用を続けている薬が、本当に必要なものなのかを担当医に相談してから決めましょう。
どのような薬にも多少なりとも副作用を生じる可能性はあり、100%予防することは困難です。しかし、不整脈の治療薬の場合、副作用が生じたからといって安易に服用を中止できないケースも多く、副作用に注意しながら適宜症状に対処していく必要があります。
薬の副作用のリスクを軽減するには、毎日同じ時間に規則正しく服用すること、指示がない限り空腹時の服用を避けること、市販薬などの飲み合わせに注意することなどが大切です。
また、副作用に早めに気づいて対処するためには、自身が服用している薬にどのような副作用があるのかをしっかり把握し、思い当たる症状がある場合は早めに病院に相談するようにしましょう。
どのような薬であっても、効果が期待できる対象となる病気や症状などが予め決められています。そのため、間違った症状や飲み方をすると副作用を起こし、逆に症状を悪化させてしまう可能性があります。
それは不整脈であっても同様ですので、処方された薬の使用方法についてよく確認してから服用するようにしましょう。
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