記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/22 記事改定日: 2019/4/19
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ストレスによる胃痛や頭痛、下痢などはよく知られていますが、「ストレスで脳が萎縮する」という話を聞いたことはありませんか?今回の記事では、ストレスによる脳の萎縮や損傷の可能性について解説していきます。
ストレスを受けると、体内ではそれに対抗するために、副腎からコルチゾールというホルモンが分泌されるようになります。
コルチゾールは本来脳へと吸収され、無害化されるのですが、慢性的なストレスによって過剰分泌されたコルチゾールが脳内に溢れると、海馬の神経細胞が破壊され、海馬が萎縮することがわかっています。
海馬は学習や記憶機能に大きく関わる器官で、ラットの海馬を損傷させると、記憶や空間記憶に支障が出るようになるという研究結果があります。また実際、強度のストレスを受けたPTSD(心的外傷後ストレス障害)患者には、海馬の変性や認知機能障害が認められたという報告もされています。
近年の研究によって、ストレスは脳の大脳皮質前頭前野という部分に影響を与え、精神機能を奪う可能性があることが判明しました。
前頭前野には普段感情を抑制する作用があるのですが、強いストレスを感じると前頭前野の支配力が低下することで、いままでは抑制できていた感情や衝動が爆発したり、急な不安に襲われたりするようになるのです。
この前頭前野にある神経回路は、日常的なストレスや不安に対して刺激を受けやすく、また脆弱であることがわかっています。このため、前頭前野でストレスホルモンなどの神経伝達物質の濃度が上がっていくと、神経細胞間の活動が低減し、徐々に止まっていくようになります。
原因であるストレス自体が軽減すれば、徐々に神経伝達物質の分解酵素が働くことで、前頭前野の神経回路は元の状態に戻っていきます。
しかし、慢性的なストレスを感じ続けると、その回復機能が失われ、前頭前野の樹状突起(神経細胞から信号をキャッチする枝状の突起)が萎縮するようになります。
するとさらにストレスに対して弱くなり、うつ病やPTSDの発症リスクが上がると考えられています。
ストレスで萎縮した脳を回復させるためには、ストレスへの対策を行う以外にも以下のような治療やケアを行うことが大切です。
数々の研究によって、慢性的なストレスは脳の一部を萎縮させたり、脳の機能を障害する恐れがあることが判明しつつあります。脳の萎縮は、認知機能の低下やうつ病の発症リスクを上げるなど、さまざまな健康リスクの恐れがあるものです。日頃からこまめにストレスを発散し、脳の健康を守りましょう。