記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/23 記事改定日: 2019/1/11
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「いつもは何ともないのに、運動中に急に不整脈になることがある…」などの運動をしているときに不整脈が起こる場合、どのような原因が考えられるのでしょうか?
運動中の不整脈と、運動中の突然死の予防策について解説していきます。
運動中に起こる不整脈として、以下のようなものがあげられます。
期外収縮とは、運動中にしばし起こる不整脈で、規則的な心臓収縮リズムが乱れることにより「心臓がドキッとする」「脈が飛ぶ・抜ける」などの症状が生じます。最も患者数の多いとされる不整脈です。
一般的に、他の心臓疾患がない場合は、期外収縮があっても大きな問題はないとされていますが、運動中に症状が悪化するようであれば注意が必要です。
発作性頻拍症も、運動中にしばし起こる不整脈です。この症状は、心臓内の電気回路が乱れて、その回路を刺激が速い速度で回ることにより起こるといわれています。
発作性頻拍症は、症状の発生場所により「上室頻拍」と「心室頻拍」に分けられ、動悸直後の血圧低下や、ふらつき、めまいなどを感じる場合があります。
心房に発生する頻拍です。通常命にかかわることはないのですが、頻拍の状態が持続すると、心不全を起こす危険性があるとされています。また、心拍数は100回/分前後のものから250回/分前後の重篤なものまであります。
心室に発生する頻拍です。心筋梗塞、心筋症、弁膜症などの心疾患が原因で起こる場合が多く、動悸に加えて、心拍出低下により意識が遠のくことがあります。重篤な心疾患がある場合には、突然死する恐れもあるので注意が必要です。
運動負荷心電図とは、運動する前と後の心電図を調べることで、不整脈を患っている人の可能な運動量や制限するべき活動などを検査するものです。検査方法には以下のようなものがあります。
通常、心臓は規則的に拍動しているのですが、何らかの原因によりそのリズムが乱れてしまうことがあります。このような不規則な拍動を不整脈と呼ぶのですが、その原因や種類は症状により異なるので、自己判断で不整脈の要因を特定することはできません。
そのため、自分の不整脈が放置しておいても問題ないものなのか、危険があるものなのかを医療機関で調べる必要があります。また、脈拍の異常や、動悸などの症状などに心当たりのある人は、なるべく運動は控えるようにしましょう。運動後に悪化するタイプの不整脈である場合は、症状を悪化させてしまう可能性があります。
運動中に心室細動などの致死性不整脈を引き起こして突然死に至るケースは少なくありません。特に心臓の病気がない健康な中学生や高校生でも起こりうるものです。
運動中の突然死を防ぐには、以下のことを徹底するようにしましょう。
また、運動中に生じる不整脈の多くは、AEDの使用や適切な心臓マッサージなどを行えば救命できる可能性があります。運動を行う際には、事前にAEDの場所などを確認しておき、周囲で運動中に倒れた人がいた場合には速やかに使用できるようにしましょう。
運動中の不整脈は、期外収縮である場合が多いとされていますが、不整脈の原因はさまざまなものがあるため、症状だけで特定することはできません。また重度の心疾患がある場合には、心室頻拍などで突然死してしまうこともあります。
不整脈が起こった場合には、危険な不整脈化どうかを見分けるためにも、医療機関を受診して原因を調べてもらいましょう。
また、運動前に体調を確認し、体調が思わしくない場合は無理をして運動をしないようにしてください。
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