記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/26 記事改定日: 2019/1/23
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
副鼻腔炎はその原因にはさまざまなものがあります。そのため、処方される薬もその都度種類やタイプが異なります。副鼻腔炎の薬を症状や種類別に解説していきます。
市販薬の中には、副鼻腔炎に効果があると記載されているものがありますが、実際に含まれている成分がどの程度有効なのかは、十分な検討がされていないことが多いです。
そのため、市販薬を用いて症状の改善をはかることはあまりおすすめできません。
副鼻腔炎の症状の疑いがある場合は、耳鼻科を受診するようにしましょう。
抗生物質は、細菌を死滅・増殖抑制防止させる薬であり、ウイルスに対しては効果がありません。
細菌による副鼻腔炎は中程度~重症のことが多く、「ペニシリン系」の抗生物質が処方されることが多いといわれています。
副作用は薬によって異なりますが、共通して起こる確率が高いのが下痢です。
点鼻薬は、液体や粉状の薬をスプレーのような器具に入れ、直接鼻の中に噴射する方法で、炎症を抑える効果があります。
また、点鼻薬はその薬を使用する対象の病気や症状が決められているのですが、日本では副鼻腔炎に適応するものは販売いないので使用されるケースは少ないですが、まれに抗生物質と併用する場合があります。
鼻水の粘液成分の粘りを除去して、排出を促す効果のある薬です。痰切りと呼ばれることもあります。
副鼻腔炎の治療に必ずしも必要なわけではありませんが、抗生物質と併用して使用される場合があります。
副鼻腔炎の症状でよく見られる、顔面痛の痛みを抑制する際に使用されます。副作用は種類によって異なりますが、一般的な副作用として腎臓や胃に負担をかけるものがあります。
また、副鼻腔炎で使用する場合は、アスピリン喘息に注意する必要があります。アスピリン喘息とは、NSAIDsの痛み止めなどを服用した際に起こる喘息発作のことです。
慢性副鼻腔炎の治療は、原因となる病原体の除去に加え、副鼻腔へと繋がる通路の詰まりや狭まりを解消することが目的です。
これは病原体やアレルギー、鼻ポリープなどがある場合通路が塞がれてしまうことがあるからです。
慢性副鼻腔炎でマクロライド系抗生物質を使用する際は、通常の使用量の半分程度を長期間(2~3ヶ月程度)服用することが大切です。マクロライド系の薬には、細菌を死滅・増殖抑制する効果のほかに、炎症を鎮静する効果、粘膜の状態を整える効果などあるため、副鼻腔炎に対しては少量長期投与が適していると考えられています。
慢性副鼻腔炎の場合、点鼻タイプと飲み薬タイプのステロイドが併用されることがあります。ステロイドには炎症を鎮静させる効果があり、特に点鼻タイプにはポリープの大きさを小さくする効果があるとされています。
副鼻腔炎の治療は薬物療法が主体となりますが、耳鼻科では以下のような治療が行われる事もあります。
鼻の中に器具を挿入して、鼻腔内や副鼻腔内に溜まった鼻水を吸入する治療です。必要に応じて、鼻腔内や副鼻腔内に生理食塩水を注入して、洗い流す「鼻洗浄」が行われることもあります。
血管を収縮させて粘膜の腫れを抑える薬や抗菌薬などが含まれた薬剤を霧状にして、鼻に噴霧する治療です。鼻や副鼻腔の保湿効果もあり、鼻水の排出を促す効果も期待できます。
副鼻腔炎が慢性化して鼻にポリープが形成された場合や、炎症を繰り返して日常生活に支障を来たしている場合には、手術が行われることもあります。
手術は、内視鏡で炎症のある粘膜や鼻のポリープを取る方法が主流になっていますが、重症な場合には、副鼻腔を拡大する手術が必要になることもあります。
副鼻腔炎の薬は、その原因となる病原体により使用する薬が異なるので、安易に市販薬を使用しても効果が得られないことが多いです。
また、NSAIDsなどの薬は副作用としてアスピリン喘息を引き起こすことがあるので、もともと喘息を持っている人は、事前に医師に伝えておくようにしましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
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