副鼻腔炎は市販薬で治すことはできる?

2018/5/21 記事改定日: 2019/1/24
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

副鼻腔炎の症状があったとき、病院に行く時間がないなどの理由から、市販薬を購入することがあるでしょうが、副鼻腔炎に効果のある市販薬にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、副鼻腔炎の市販薬について解説します。

副鼻腔炎は市販薬で治る?

市販薬の中には、副鼻腔炎に効果があると記載されているものがありますが、市販薬のみで副鼻腔炎の治療をすることはあまり推奨できません。
副鼻腔炎は状態にあわせた治療が必要であり、症状を確認するために鼻の中を直接検査する必要があります

市販薬はあくまでも一時的な対処として使うようにし、副鼻腔炎の症状があるときには市販薬を使用する前に一度耳鼻科を受診しましょう。

副鼻腔炎の市販薬の種類

点鼻薬

市販の点鼻薬には、「ステロイドを含むもの」と「血管収縮剤を含むもの」の2種類があります。中でも血管収縮剤の効果には即効性があるため、規定の使用回数を超えて使用してしまう人が多いのですが、この薬剤は過剰に使用すると逆に鼻を詰まりやすくしてしまう作用があるため注意が必要です。

そのような状態になると、その後の治療にも影響が及ぶ可能性があるため、使用する際には事前に医師や薬剤師に相談しましょう。

飲み薬

市販の飲み薬の中には、副鼻腔炎の症状を改善する効果があるものもあります。

代表的なものでは、鼻詰まりや炎症を改善する作用がある漢方薬の成分が含まれたチクナイン®やフジビトール®、ベルエムピK®などが挙げられます。また、漢方薬では、鼻づまりを改善する辛夷清肺湯や鼻粘膜の腫れを抑える葛根湯加川きゅう辛夷なども市販されていますのでお勧めです。

ただし、これらの飲み薬は一時的に症状が改善しても、根本的に副鼻腔炎を治すことにはつながらないため、漫然と使用せずに症状が続く場合や再発しや膵場合には、必ず病院を受診して医師から治療に適した薬を処方してもらうようにしましょう。

抗アレルギー薬

アレルギーが原因の慢性副鼻腔炎の場合は、抗アレルギー薬を使用することで鼻詰まりを解消し、症状を改善できる可能性があります。
ただし、副鼻腔炎が病原体など他の原因によるもの場合、抗アレルギー薬を使用しても効果が得られません。
鼻詰まりなどの症状が起こっている原因の特定は自己判断できません。必ず耳鼻科を受診して原因を特定してもらいましょう。

副鼻腔炎に市販の漢方薬はある?

市販の漢方薬の中には、鼻炎を抑えて鼻通りをよくする効果や膿を減らす効果があるものがあります。

辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)
粘稠性の膿性鼻汁、鼻周辺の熱感、鼻の閉塞を伴う慢性鼻炎・副鼻腔炎(蓄膿症)などに使用されます。
葛根湯加川きゅう辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)
風邪による鼻詰まり・粘稠性の鼻汁、頭重感のある慢性鼻炎・急性期副鼻腔炎などに使用されます。
荊芥連翹湯(ケイガレンギョウトウ)
乾燥傾向のある、中耳炎、扁桃腺炎、にきび、皮膚などに使用されます。
防風通聖散(ボウフウツウショウサン)
葛根湯加川きゅう辛夷、辛夷清肺湯、荊芥連翹湯の主要な生薬が含まれている漢方薬で、主に副鼻腔炎に使用されます。

また、副鼻腔炎の主な症状である、粘稠性鼻炎、鼻詰まり、鼻汁、後鼻漏などに効果のある生薬に、以下のようなものがあります。

排膿薬(ハイノウヤク)
膿の排出を促進する効果あります。
辛夷(シンイ)
鼻詰まりを軽減する効果があります。
清熱薬(セイネツヤク)・山梔子(サンシシ)・連翹(レンギョウ)
鼻周辺の熱感や粘稠性黄色鼻汁に対して効果があるとされています。

漢方薬はその人の体質に合わないものも多くあるため、購入する際には薬剤師に相談するか、専門医に処方してもらうことをおすすめします。また、原因になる病原体によっては市販薬だけでは対応できない場合があるので、症状がある場合はまず最初に耳鼻科で診てもらいましょう。

おわりに:市販薬の使用はなるべく控え、医師に処方してもらいましょう

副鼻腔炎の市販薬にはさまざまなタイプがありますが、基本的には市販薬の使用は控えることが推奨されます。
副鼻腔炎は根本的な原因となる病原体を治療しなければ、いくら症状を抑えても意味がありません。症状がある場合は耳鼻科を受診し、原因にあわせた治療をしてもらいましょう。

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