副鼻腔炎の治療方法と再発予防のための注意点とは!?

2017/9/5 記事改定日: 2019/1/24
記事改定回数:2回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

副鼻腔炎になると鼻詰まりや頭痛などの辛い症状が現れ、慢性化すると溜まった膿が臭うなどの不快な症状がでることもあります。
この記事では副鼻腔炎の治療法と再発予防のために注意することを詳しく解説していきます。
気になる症状に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

副鼻腔炎が慢性化するとどんな症状が出る?

蓄膿症とは副鼻腔炎が慢性化した状態のことです。
正式には慢性副鼻腔炎と呼ばれ、急性副鼻腔炎症の発症から3ヵ月以上が経過しても症状が続く場合や状態や症状が繰り返し起きる回数などによって診断されます。

  • 鼻詰まり
  • 頭痛
  • 眼や額の痛み
  • 後鼻漏(鼻水がのどに流れること)
  • 嗅覚障害

などの症状が現れ、重度の鼻詰まりによって鼻水の粘性が増すことで、鼻を吸った拍子などに鼻水がのどに侵入し、のどにも炎症が起きるリスクもあります。

また、長期間放置してしまうと鼻茸(はなたけ)と呼ばれる鼻の腫瘍ができ、鼻の通りがさらに悪化する可能性が高いです。

耳鼻科での副鼻腔炎の治療法は?

副鼻腔炎の治療は主に投薬、鼻腔や副鼻腔の洗浄、手術の3つです。
それぞれの治療法について詳しく見ていきましょう。

軽度の副鼻腔炎の治療

軽度の蓄膿症は、鼻水の吸引、副鼻腔の洗浄、薬の使用などで治療します。鼻水はネブライザーという機器で吸い取り、薬は消炎酵素薬や粘液溶解薬の他、アレルギーがある場合は抗生物質を用いることが多いです。

重度または治りにくい副鼻腔炎の治療

症状が重い場合や治療開始から半年以上が経過しても改善が見られない場合は、鼻腔と副鼻腔をつなげるための手術が必要となるこが多いといわれています(手術は15歳以上から可能)。

一般的には内視鏡下副鼻腔手術(ESS)という手術が選ばれますが、鼻の形状に問題があるときは矯正手術を行うこともあります。

副鼻腔炎の手術

現在行われる副鼻腔炎の手術は、内視鏡を使用して行うのが主流です。それぞれの症状や重症度に合わせて、以下のような術式が選択されます。

内視鏡下副鼻腔手術(ESS)
現在、最も一般的に行われている術式です。鼻の穴から手術器具や内視鏡を挿入して、内部を観察しながら、鼻腔と各副鼻腔を隔てる壁を切除して膿などが溜まった副鼻腔を開放・除圧し、炎症の強い粘膜を除去します。
手術のタイプは5種類あり、一か所の副鼻腔のみを開放する「副鼻腔単洞手術」や、全ての副鼻腔の壁を切除する「拡大副鼻腔手術」、2か所以上の副鼻腔を開放する「選択的副鼻腔手術」などがそれぞれの症状に合わせて行われます。
術後の痛みや出血が少なく、効果のたかい治療法で、日帰りや短期間入院で行うことができます。
鼻外手術
従来から行われていた術式で、内視鏡を用いずに、皮膚や口腔粘膜を切開して、そこから副鼻腔の開放を行います。上顎洞や前頭洞の手術で行われることがありますが、美容的観点、神経学的観点から実施は少なくなっています。

妊娠中の副鼻腔炎は、どうやって治療する?

妊娠中は免疫力が低下するので様々な感染症にかかりやすくなります。副鼻腔炎も例外ではなく、特に妊娠前にも副鼻腔炎を繰り返していた人は細心の注意が必要です。

妊娠中の治療も妊婦さん以外の人と基本的には変わらず、妊娠中にも使用できるセフェム系やマクロライド系の抗生物質を使用し、頭痛や鼻水などに対してそれぞれの症状に効く薬の処方が行われます。
しかし、手術をする場合には麻酔などの影響を考慮して出産後に行うことが多いです。

市販薬で副鼻腔炎は治せる?

副鼻腔炎は軽症な場合には特別な治療をしなくても自然と治ることもあります。家庭や仕事に忙しい人は、病院受診の時間が確保できずに自己流で治療を行うこともあるでしょう。

副鼻腔炎の治療に必要な抗生物質は市販されていませんが、副鼻腔炎の症状である鼻水や咳、頭痛などに対しては市販の薬で対処することができます。しかし、それらの市販薬で副鼻腔炎の症状を和らげることはできますが、副鼻腔炎自体を治すことはできません。不快な症状が長引く場合には必ず病院を受診して適切な治療を行いましょう。

副鼻腔炎の検査方法

副鼻腔炎は内視鏡を使った視診とX線(レントゲン)やCTスキャンなどの画像観察で検査します。
鼻腔の形、腫瘍の有無、鼻水の流れる部位などを詳しく調べる必要があるからです。
それぞれの検査内容を説明します。

内視鏡検査

鼻腔の観察には主に電子スコープやファイバースコープなど使います。
蓄膿症かどうかは副鼻腔の開口部を観察することでわかります。

内視鏡で副鼻腔全体を見ることはできないものの、副鼻腔の入り口の粘膜の腫れや膿の状態を直接観察できるため、画像検査の前に内視鏡検査を行う医師が多いです。

X線(レントゲン)検査、CTスキャン

蓄膿症にはしばしば鼻腔内には異常が見られないこともあるため、ほとんどの場合は視診に次いで画像診断が行われます。

X線検査(レントゲン)では骨は白く、空洞の部分は黒く写るのが特徴です。
そのため、副鼻腔に異常がなければ空洞なので黒く写りますが、蓄膿症などの炎症で粘膜が腫れたり膿が溜まった状態になると白く写ります。

合併症と再発の予防するための注意点とは?

副鼻腔炎で最も多い合併症は中耳炎です。

これはとくに子供に多く、副鼻腔が耳と耳管という管を通してつながっているために、この耳管を介して膿や細菌が耳のへ流れると中耳炎を発症することがあります。

また、副鼻腔は目や脳に近いところにありますから、重症化して膿が多く溜まるようになると、目や脳に炎症や感染が及んで重篤な副作用を生じることがあります。ひどいときには、脳膿瘍や髄膜炎などの致死的な病気に発展することもあります。

副鼻腔炎の再発予防としては、風邪をひかないようにすることが大切です。そのためにも手洗いやうがいをしっかり行い、人ごみに出るときにはマスクを着用するとよいでしょう。また、副鼻腔炎になったとしても慢性化する前に適切な治療を行って完治させることが重要です。鼻水などの症状があるときには早めに病院を受診して早期に治療を開始するようにしましょう。

おわりに:鼻詰まりや頭痛などの症状が長引くときは、病院で診てもらおう

風邪じゃないのに鼻詰まりや頭痛が治らない、いつものアレルギーの症状とは違う気がする・・・そのような場合は副鼻腔炎を発症している可能性があります。
副鼻腔炎はそのままにしておくと慢性化して蓄膿症につながる危険性が高いので、気になる症状が見られるときは早めに耳鼻科に行って医師の診察を受けるようにしましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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