記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
ストレスが溜まるとニキビができると言われますが、何故ストレスによってニキビが発生するのでしょうか?また、発生しやすい場所はどこなのでしょうか?ニキビとストレスの関係について解説します。
ストレスを感じると、男性ホルモンやノルアドレナリンが皮脂の分泌を促進するため、脂性肌になりやすくなります。また、皮脂が毛穴を塞いでしまうため、毛穴の詰まりも起きやすくなります。毛穴に皮脂が詰まると、皮脂を好むアクネ菌が増殖してニキビができやすくなってしまうと考えられています。
過剰なストレスを受けると、脳の自律神経や内分泌に関連する「視床下部」に影響が及びます。視床下部は副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンを分泌し、ストレスに対応しようとします。ストレスは生物学的には危険のサインと受け取られ、それに対応するために体が機能を昂らせます。
しかし、同時に副腎皮質ホルモンの一つである男性ホルモンが分泌されたり、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンの働きによって交感神経の働きが活発になり神経伝達物質であるノルアドレナリンの放出がおこったりすることで、肌に負担がかかることにもなるのです。
ストレス反応を引き起こす原因のことを、ストレッサ―と呼びます。
ストレス反応とは、一定のリズムに保たれている生体バランスをストレッサ―が乱し、その状態をもとに戻そうとする体の反応のことです。多少のストレスは体のバランスを維持するために必要ですが、過剰なストレスは心身にとって悪影響になります。ストレスを少なくするには、ストレッサーから自分を遠ざける必要があるのです。
不規則な生活習慣やホルモンバランスの乱れなどの、「ストレス」が原因の大人ニキビは、顎やフェイスラインにできやすいとされています。これは顎やフェイスラインの毛穴は男性ホルモンに反応しやすく、ストレスなどで男性ホルモンの分泌量が増えることでニキビが発生しやすくなるからと考えられています。特に男性は思春期ニキビもできやすい場所なので注意しましょう。
また、細菌が付着した手で頬杖をつくなど、物理的な刺激からニキビが発生することもあります。顎ニキビの対策は、ストレス解消の他に、質の良い睡眠やバランスの良い食生活、体を冷やさないことが大切です。
ストレスを溜めないためには
などが基本になります。
また、リラックスを司る副交感神経を活発にさせるためには、半身浴がおすすめです。38~40℃程度のぬるま湯に20分ほどつかることで、心身をリラックスさせることができます。
ストレスは自分でも気づかぬうちに溜まっていることも多いので、日ごろからストレスを解消する時間を持つように心がけることが大切です。
ストレスが溜まると男性ホルモンやノルアドレナリンの分泌量が増え、顎やフェイスラインにニキビが発生しやすくなります。ストレスによるニキビを作らないためには、日ごろの生活習慣やストレス解消が重要になります。半身浴や趣味などを楽しむ時間を作り、ストレスを溜めこまないようにしましょう。