記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
激しい吐き気・嘔吐や水様性の下痢など、ノロウイルスの感染が疑われる症状が出たとき、どのような検査が行われるのか知っていますか?今回はノロウイルスの検査について、検査方法や検査結果が出るまでにかかる時間、検査の保険適用の可否などをご説明していきます。ノロウイルスに感染・発症してしまったときのために、目を通しておいてくださいね。
ノロウイルスは非常に感染力の強いウイルスであるため、適切な感染拡大予防の対策をとるためにも、早期の検査・診断が求められます。
ノロウイルスが疑われるような症状が出た場合に、まず行われるのは「抗原(こうげん)検査」と呼ばれる検査方法です。ノロウイルス抗原検査では、感染者の嘔吐物や糞便を採取し、専用のキットを使用してウイルスを検出することで、ノロウイルスに感染しているかどうかを確認します。
この検査方法のメリットは、検査結果が出るまでの時間が数十分程度と短いことですが、感染していても陽性が出ないこともあり、検査精度については疑問の声もあります。このため、ウイルスに感染しているかどうかを正確に確認することは難しく、通常は患者の症状と周囲への感染状況とあわせて、医師が必要と認めた場合に補助的に行われます。
より正確な検査を行うには、嘔吐物やと便を顕微鏡で観察したり、遺伝子検査などの方法もありますが、1~7日程度の時間がかかるため、一般的な医療機関で実施されることはありません。
ノロウイルスの抗原検査を保険適用で受けられるのは、基本的には以下のいずれかに該当する患者のみです。
上記のいずれにも該当しない人は、保険適用でのノロウイルス抗原検査は受けることができません。検査を受ける場合の支払いは、全額自費となります。
ノロウイルスに感染しているかの診断は、通常は症状と周囲への感染の様子とあわせて、ウイルス感染の有無を調べる抗原検査を参考に下されます。ノロウイルス抗原検査は数十分程度ですぐに検査結果を知ることができますが、感染していても陽性反応が出ないこともある点に注意が必要です。また、特定の条件に該当する患者以外は、検査が自費診療となることにも留意しましょう。