記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/5/30
記事監修医師
前田 裕斗 先生
高血圧は体に良くないとはよく言われますが、具体的にいくつ以上になると高血圧と診断されるのでしょうか?年代別に分けて血圧の正常値やその特徴などを解説します。
10代の血圧の正常値は以下が目安になっています。
以上のような基準値を参考に、普段の食生活で塩分やカロリーの摂りすぎや、運動不足にならないよう気を付けましょう。食生活が欧米化するにつれて、近年の日本では小学生~高校生の1~3%に高血圧が発症しています。
子供の高血圧は、あまり深刻には受け止められないことも多く症状も現れにくいのですが、放置しておくと後に心臓病の合併や成人の高血圧などに繋がることがあります。子供であっても定期的な血圧検査を行うといいでしょう。
20代の血圧の平均値は、
上記の数値は、正常範囲内の「至適血圧」に当てはまり、心血管病の発症率が最も低い値とされています。20代は他の年代の成人と比較すると、心血管病になる確率が1番低いと考えられるでしょう。
30代以降の血圧の平均値は以下の通りです。
男性の数値は30代と40代共に「正常血圧」で、50代と60代は「正常高値血圧」に該当します。女性は30代と40代共に「至適血圧」で、心血管病になる確率が最も低くなっており、50代は「正常血圧」、60代は「正常高値血圧」に該当します。
30代以降~60代までの平均値は高血圧の数値「140/90mmHg」には該当しませんが、上記の平均値は降圧剤を服用している人も含めた値なので、「平均値が上がる=高血圧の人が増える」という見方をすることができるでしょう。
また、「正常血圧」も「正常高値血圧」も正常値の範囲内ですが、「至適血圧」と比較すると心血管病になる確率が上がるため、できれば至適血圧「120/80mmHg」以下まで下げるとなお良いでしょう。塩分・カロリーの摂りすぎや運動不足には十分注意をしましょう。
妊娠中、特に血圧が上がりやすいわけではありませんが、注意したい病態に妊娠高血圧症候群(HDP)があります。HDPでは胎盤の血管が適切に作られていないため、赤ちゃんに酸素や栄養を十分に届けられなり、それを補うために体が無理に血圧を上げようとするので、高血圧になるといわれています。
妊婦の高血圧を判断する基準値は、一般の人と同じで「140/90mmHg」以上となります。また、160/110mmHg以上の高血圧は重症域と呼ばれ、母体や胎児への悪影響が懸念されるため入院加療が必要な状態です。
上記のような病気を防ぐためにも、妊娠中の血圧管理をしっかりと行いましょう。
高血圧は10代の子供にも発症することがあり、20代が一番高血圧のリスクが低い年代となっています。通常高血圧は年齢が上がるごとに発症するリスクが高まりますが、妊娠中の人も妊娠高血圧症候群になる可能性があります。また、血圧検査で正常血圧と診断された人でも、至適血圧まで血圧を下げることで高血圧のリスクを大幅に減らせるので、食生活や運動不足を改善して血圧の調整を心がけましょう。