B型肝炎の検査結果、「抗体」が陽性の意味は? 「抗原」との違いは?

2018/5/27

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

B型肝炎ウイルスの検査結果には、「抗体」と「抗原」などの項目が表示されます。ただ、両者は字面が似ているため、どういう意味かよくわからない…という方も多いようです。では、それぞれ陽性のときにはどんな意味を持つのでしょうか?

B型肝炎の検査、抗体が陽性の場合は?

まず「抗体」とは、病原体などが体内に侵入したとき、それを追い出すためにできる対抗物質のことです。B型肝炎ウイルスの検査結果で表示される「抗体」には、以下の4種類があります。

  • HBs抗体:B型肝炎ウイルスに対する抗体
  • HBc抗体:HBc抗原(B型肝炎ウイルスの中心部のコア蛋白)に対する抗体
  • HBc-IgM抗体:急性肝炎のときに肝細胞が破壊され、HBc抗原が血中に大量に放出されることで産出される物質
  • HBe抗体:HBe抗原(B型肝炎ウイルスの感染増量とともに、感染細胞から血中に分泌される物質)に対する抗体

このうちHBs抗体が陽性の場合は、「過去にB型肝炎ウイルスに感染したことがあるが、現在は治癒しており、ウイルスへの免疫ができている」ことを指します(B型肝炎ワクチンの接種後も陽性となります)。
次に、HBc抗体が陽性の場合は、「B型肝炎ウイルスに感染した」ことを示します(B型肝炎ワクチンの接種をした場合は陰性になります)。またHBc-IgM抗体の反応があれば、「最近B型肝炎ウイルスに感染したこと」を示します。
そしてHBe抗体が陽性の場合は、「B型肝炎ウイルスの増殖力が低下している」ことを意味します。

ワクチンでB型肝炎の抗体がつかないことはある?

B型肝炎のワクチンを乳幼児期に3回接種した場合、そのほとんどはHBs抗体を獲得できると考えられています。HBs抗体は最低15年間は持続し、20代までに接種すれば高い効果が期待できるといわれています。

しかし、ワクチンの効果は年齢とともに低下する傾向にあり、40歳を過ぎてからの接種で抗体を獲得できる割合は、およそ8割とされています。

B型肝炎の「抗体」と「抗原」の違いは?

「抗原」とはウイルス自体の体のタンパク質のことで、B型肝炎ウイルス検査では、ウイルスに感染しているかの判定基準となります。「HBs抗原」が陽性の場合は、B型肝炎ウイルスに感染していることを示し、陰性であれば感染していないことを示します。

なお、他には「HBe抗原」というものもありますが、これが陽性の場合はB型肝炎ウイルスの増殖力が強いことを意味します。

おわりに:抗体と抗原の意味を理解し、検査結果を正確に把握しよう

HBs抗体が陽性であれば「B型肝炎ウイルスへの免疫ができている」ことを示しますが、HBs抗原が陽性であれば「B型肝炎ウイルスに感染している」ことを示すなど、それぞれで意味は全く異なります。検査の結果を正確に把握するために、しっかり知識を身につけておきましょう。

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