「糖質制限は危険」は嘘?本当?

2018/5/29

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ダイエット目的や糖尿病治療の一環で実践することのある「糖質制限」。ただ、「糖質制限は危険」という話を一度は耳にしたことはないでしょうか?以降では、糖質制限の危険性や問題点を中心に解説していきます。

「糖質制限は危険」は嘘?本当?

糖質の摂取量を減らす「糖質制限ダイエット」は、短期間で体重が大幅に減るために取り入れている方は多いですが、糖質は人間にとって重要なエネルギー源のため、極端に糖質を制限すると大きく健康が阻害される恐れがあります。具体的には、以下の危険性があります。

エネルギー不足

過度な糖質制限を続けると、重度のエネルギー不足に陥り、低血糖によるめまいやふらつき、頭痛、冷や汗、意識障害などの体調不良を起こす恐れがあります。

持久力・集中力が減る

エネルギー源である糖質を減らすと、持久力や集中力が減少し、体が疲れやすくなったり、怪我をしやすくなったりします。

筋力の低下

糖質の摂取量が不足すると、その代わりに体内では筋肉を分解してエネルギー源にしようとします。これにより、筋力が低下します。
また、過度な糖質制限を行うと、筋肉を作るのに必要な栄養素を運ぶのが困難になり、結果的に筋力低下につながるという側面もあります。

体への過剰なストレス

過度の糖質制限を行うと体は低血糖の状態に陥ります。血糖が低い状態に体が慣れていない場合は血糖を上げるために体はコルチゾールやアドレナリンなどのストレスホルモンを大量に分泌し、体には強いストレスがかかった状態となります。

アドレナリンが分泌されるため、場合によっては心筋梗塞や脳梗塞などの心血管イベントのリスクが上昇する可能性があります。

糖質制限で死亡リスクが上がる!?

国内の調査によれば、「糖質を日常的に多く摂取する人と比べ、糖質の摂取量が少ない人は死亡率が約30%上がる」「5年以上糖質制限を続けると、死亡率が上昇する」というデータが得られています。

糖尿病患者の糖質制限も危険?

現在、糖尿病の治療食として糖質制限食を取り入れている医療機関は多く、実際に糖質制限によって減量効果や血糖値の改善効果が得られた糖尿病患者は数多く存在します。
しかし、「米やパンなどの主食は一切食べない」といった極端な糖質制限を自己流で行うと、短期的には血糖値の数値は改善するものの、足の筋力が衰えて歩行困難になったり、栄養不足によって視力に異変が出たりと、別の健康リスクが生じる危険性があります。

おわりに:糖質制限によって健康が阻害されるケースも。運動習慣を取り入れ、バランスのとれた減量計画を!

糖尿病患者や糖質を過剰摂取している肥満の人の場合は、糖質制限によって健康面での効果が得られる側面はあります。しかし、過度な糖質制限は筋力低下や体調不良など、かえって健康状態の悪化につながる危険性があるのも事実です。糖質制限を実施する際は、必ず主治医か管理栄養士の指示を受けるようにしてください。
また、健康的に減量するには食事を制限するだけでなく、運動でカロリー消費することも重要です。バランスが良く、健康上無理のない方法で糖質制限を取り入れるようにしましょう。

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