糖質制限が危険っていわれるのはなぜ?

2018/5/29 記事改定日: 2019/6/25
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ダイエット目的や糖尿病治療の一環で実践することのある「糖質制限」。ただ、「糖質制限は危険」という話を一度は耳にしたことはないでしょうか?以降では、糖質制限の危険性や問題点を中心に解説していきます。

過度な糖質制限にはどんなリスクがあるの?

糖質の摂取量を減らす「糖質制限ダイエット」は、短期間で体重が大幅に減るために取り入れている方は多いと思います。
ただ、糖質は人間にとって重要なエネルギー源のため、極端に糖質を制限すると大きく健康が阻害される恐れがあります。
具体的には、以下の危険性があります。

エネルギー不足
過度な糖質制限を続けると、重度のエネルギー不足に陥り、低血糖によるめまいやふらつき、頭痛、冷や汗、意識障害などの体調不良を起こす恐れがある
持久力・集中力が減る
エネルギー源である糖質を減らすと、持久力や集中力が減少し、体が疲れやすくなったり、怪我をしやすくなったりする
筋力の低下
糖質の摂取量が不足すると代わりに筋肉を分解してエネルギー源しようとするため、筋肉が減少することで筋力が低下する
筋肉を作るのに必要な栄養素を運ぶのが困難になり、筋力が低下する
体へのストレス
血糖が低い状態に体が慣れていない場合、過度の糖質制限で体が低血糖の状態に陥ると、血糖を上げるためにコルチゾールやアドレナリンなどのストレスホルモンを大量に分泌するため、体に強いストレスがかかった状態になる
アドレナリンが分泌は、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを高めることがある

糖尿病患者も、過度な糖質制限は危険?

現在、糖尿病の治療食として糖質制限食を取り入れている医療機関は多く、実際に糖質制限によって減量効果や血糖値の改善効果が得られた糖尿病患者は数多く存在します。
しかし、「米やパンなどの主食は一切食べない」といった極端な糖質制限を自己流で行うと、短期的には血糖値の数値は改善するものの、足の筋力が衰えて歩行困難になったり、栄養不足によって視力に異変が出たりと、別の健康リスクが生じる危険性があります。

糖尿病の糖質制限のやり方

糖尿病の人は、治療のために糖質を制限した食事が必要になることがあります。
しかし、糖質は身体のエネルギーを作る大切な栄養素であるため過度に制限すると日中の活動性低下や倦怠感など様々な不調を引き起こすことがあります。また、無理な食事制限はリバウンドの原因になるので避けましょう。

食事制限の方法は、それぞれの症状や状態によって異なりますが、糖尿病の人は一食当たりの糖質を40g程度、間食での摂取を10g程度に抑え、一日当たり130g以下の糖質に抑えるのが理想とされています。日本人の一日の平均糖質摂取量は300g程度ですので、大幅に抑えることになりますが、野菜や魚、大豆製品など糖質が少なく良質な栄養素を多く含むおかずを多く食べることで腹持ちもよくなり、リバウンドを防ぐことができます。

ただし、糖尿病の人は自己判断で極端な食事制限をせずに医師や管理栄養士などの指導の下で行うようにしましょう。

おわりに:糖質制限によって健康が阻害されるケースも。運動習慣を取り入れ、バランスのとれた減量計画を!

糖尿病患者や糖質を過剰摂取している肥満の人の場合は、糖質制限によって健康面での効果が得られる側面はあります。しかし、過度な糖質制限は筋力低下や体調不良など、かえって健康状態の悪化につながる危険性があるのも事実です。糖質制限を実施する際は、必ず主治医か管理栄養士の指示を受けるようにしてください。

また、健康的に減量するには食事を制限するだけでなく、運動でカロリー消費することも重要です。バランスが良く、健康上無理のない方法で糖質制限を取り入れるようにしましょう。

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