副鼻腔炎で歯痛が起こるって本当?虫歯との見分け方は?

2018/5/29 記事改定日: 2019/1/24
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

副鼻腔炎は、鼻の奥にある副鼻腔に炎症が起こる鼻の病気です。鼻水や鼻づまりが主な症状ですが、歯痛が起こるということをご存知でしょうか。
この記事では、副鼻腔炎と歯痛の関係性について説明しています。見た目に虫歯はないけど歯が痛むという方は、参考にしてください。

副鼻腔炎で歯痛や頭痛になるのはなぜ?

鼻という器官には、いわゆる鼻の穴である鼻腔と、副鼻腔と呼ばれる空洞で形成されています。
副鼻腔のパーツは、左右で合計8つあり、鼻腔を取り囲むようにこめかみから頬あたりまで広く存在します。

副鼻腔炎は、この副鼻腔が炎症を起こす病気です。炎症部分によっては、歯の根元や歯の神経を圧迫して歯痛を起こしたり、頭に近い部分の神経や血管を圧迫して頭痛が起こることがあります。

副鼻腔炎が原因の歯痛の特徴は?虫歯の痛みとどう違うの?

副鼻腔炎による歯の痛みは、歯の神経が圧迫されることによる痛みです。持続的に痛むうえに、歯の神経が数本まとめて圧迫されることもあるため、痛みの原因となっている歯が特定しにくいのが特徴です。

一方、虫歯、または知覚過敏による歯の痛みは、冷たい物や熱いものがふれたときに一瞬しみるような痛みを感じることが多いです。また、虫歯の場合は、「”この歯”が痛む」と自分で特定しやすいという特徴があります。

持続的な痛みを感じることもありますが、そのような痛みを感じるようになる頃には、見た目でも分かるぐらい虫歯が大きくなっている可能性がありますので、早めに虫歯治療を始めたほうがいいでしょう。

ただし、上記の特徴はあくまでも一般的なものであり、痛みの特徴だけで虫歯か副鼻腔炎かを特定することはできません。
また、虫歯が大きく進行して穴があいていたり、虫歯治療が途中のままになっていたりすると、虫歯菌が歯の根の先から副鼻腔に入り副鼻腔炎になること(このような副鼻腔炎を歯性上顎洞炎と呼びます)もあるので、歯が痛むときはまずは歯医者を受診することをおすすめします。

副鼻腔炎による歯痛はどうすれば治る?

副鼻腔炎によって歯痛が起こる場合と虫歯が原因で副鼻腔炎になってしまう場合がありますが、副鼻腔炎が起こる原因の約8割は鼻が原因であるとされており、後者のように虫歯が先のケースは比較的珍しいといえます。

副鼻腔炎(細菌性)が原因の歯痛であれば、抗生物質を一定期間服用することで多くは回復できるでしょう。

虫歯や歯周病から細菌が入り、副鼻腔炎になってしまった場合は、抗生物質の服用と並行して虫歯や歯周病の治療を行う必要があります。

痛み止めは有効?

副鼻腔炎による歯の痛みは、ロキソニン®などの鎮痛薬で緩和することができます。

しかし、鎮痛薬の効果は一時的なものであり、根本的に副鼻腔炎を治療することにはなりません。歯痛が出るような副鼻腔炎は重症の可能性が高いため、市販薬の服用で対処せず、必ず病院で治療を受けるようにしましょう。

また、鎮痛薬を使用する際にも、安易な市販薬の乱用は、胃や腸にダメージを与えるなど様々な副作用をもたらすことがありますので、できるだけ医師が処方したものを指示通りに飲むようにしましょう。

おわりに:副鼻腔炎と歯痛には深いかかわりがある!

副鼻腔炎は、副鼻腔に炎症が起こり、鼻水や膿がたまってしまう病気です。副鼻腔は顔の広範囲に拡がっているため、歯の神経などを圧迫し、歯痛を引き起こすこともあります。ただし、逆に虫歯や歯周病などが原因で副鼻腔炎になることもあるということも忘れてはいけません。虫歯や歯周病が原因の副鼻腔炎の場合、抗生物質で炎症を鎮めながら、歯の治療もする必要があります。
歯が痛む場合は、まずは歯医者さんで虫歯や歯周病などがないかを診てもらいましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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