記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ちょっとした腰痛であれば、しばらく休んでいれば良くなってくることがほとんどですが、歩けない・動けないほどの激痛がするときはどのように対処すればいいのでしょうか。
この記事では、急に腰に激痛が起こったときの対処法について解説しています。どんなときに救急車を呼んだらいいかについても説明しているので、参考にしてください。
腰痛が起こるのは、重いものを持ったり無理な体勢をとったりしたときだけではありません。思い当たるような行動や動作をとっていなくても、ある日突然腰痛が起こることもあるのです。家の中であれば、横になって安静にすることができますが、外出先だとなかなかそうはいかないでしょう。
外出時に安静にすることは難しいかもしれませんが、できる限り早く腰に負担をかけない体勢をとることが重要です。
ベンチなどでかまわないので、横になれる場所を探し、横を向いて寝て、海老のように丸まった姿勢をとるとよいでしょう。そのとき、クッションが柔らかすぎると腰の痛みが悪化することがあります。しばらく寝てみて、痛みが悪化するようなら、体勢を変えるか寝る場所を変えるなどして、少しでも痛みが少なくなるように工夫をしてください。
もし横になれないようなら、壁などによりかかり、腰を少し曲げて体重を壁に預けると腰の負担が減らせる場合があります。また、腰を反らせるよりも、うずくまるような姿勢の方が楽になる場合が多いです。その場や椅子に座れるときは、体育座りのように膝を抱え、腰に体重がかからない姿勢にしましょう。いずれにしても、腰の痛みがひどくなる体勢をとらないようにすることが大切です。
激痛で動けなくなっても、大半は一定期間安静にしていれば痛みは落ち着いてきます。上記で説明したように、腰に負担をかけない姿勢をとって、しばらく様子をみましょう。それでもまったく痛みが引かず、一人では歩けない場合は、救急車を呼ぶことも検討してもいいでしょう。とくに高齢者の場合、圧迫骨折などの可能性もあります。
近年では、救急車をタクシーの代わりように呼ぶことが問題になっています。安静にしていてどうにかなりそうなときに、安易に救急車を呼ぶのはもちろん控えるべきです。しかし、誰の助けも借りられそうになく、自分で移動することすら困難なときは救急車を呼ぶことも検討してください。
ただし、下記のような症状がある場合は、すぐに救急車を呼んでください。
痛みが強く、生活に支障がある場合は、鎮痛剤で痛みを抑えてもいいでしょう。ラックル®などのアセトアミノフェン配合のもの、ロキソニン®などロキソプロフェン配合のものがありますが、痛みが強い場合は、より鎮痛効果が高いロキソプロフェン配合の鎮痛薬を飲んだ方がいいかもしれません。もちろん、整形外科で処方してもらうのが一番ですが、病院に行けない場合は薬剤師がいる薬局に相談しましょう。
また、ロキソプロフェンやジクロフェナク、インドメタシンなどの有効成分が配合された湿布剤があれば、ある程度の鎮痛効果が期待できます。ただし、湿布剤は飲み薬よりも若干効果が低いとされていて、ケトプロフェン配合のものは光線過敏症の副作用が出ることがあるので注意が必要です。湿布剤は気軽に使ってしまいがちですが、必ず使用上の注意を守って使うようにしましょう。
突然腰痛になってしまったときは、とにかく少しでも早く腰に負担をかけない体勢をとることが重要です。外出中などで、横になれる場所が見当たらない場合は、腰を曲げて壁によりかかったり、膝を抱え込むように丸まったりして痛みが落ち着くのを待ってください。
ただし、どんどん痛みがひどくなって歩くことができない場合が、腰痛以外の危険な症状(しびれや失禁、血尿など)がある場合は、救急車を呼ぶことを検討しましょう。