双極性障害2型とは ― 原因、症状、仕事で気をつけることは?

2018/7/19

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「双極性障害2型」という病気について、ご存知でしょうか?
かつては「躁うつ病」などと呼ばれ、気分障害の一種に分類されるこの精神疾患は、日本人のうち約0.2%の人がかかる可能性があると言われています。
今回は、誰でも発症しうる双極性障害2型の原因や症状、発症した人が仕事をするうえで気を付けるべきことをご紹介していきます。

双極性障害2型の原因

双極性障害2型は、「遺伝的要因」と「環境的要因」のどちらか、または両方が影響して発症するものと考えられていますが、完全に証明されたわけではありません。

この病気は、特定の遺伝子が継承されることによって発症する遺伝病ではありません。
しかし、研究段階で病気の発症に遺伝的な関連性がある可能性が指摘されていることから、原因となり得る複数の原因遺伝子を持っていることで発症しやすくなる、遺伝的要因のある病気と考えられている現状があるといわれています。

環境的要因に関しては、生まれ育った環境や日常的なストレスが要因となると考えられていますが、発症要因となる環境についても特定されているわけではありません。
あくまで、生まれてから今日までに受けたストレスが発症の要因になり得ると考えられているだけで、詳しくは解明されていないのが現状です。

また、以下のような人は発症の危険因子を持つ「病前性格」と呼ばれ、生活リズムの乱れや大きなストレスが引き金となって、双極性障害2型を発症しやすいと言われています。

  • 社交的で明るい人
  • ユーモアのセンスがあり、周囲への気配りのできる人
  • とても現実的な人

双極性障害2型の症状

気分が落ち込む抑うつ状態と、気分が高まる軽い躁(そう)状態を繰り返すのが、双極性障害2型の代表的な症状です。

抑うつ状態が2週間以上、軽躁の状態が4日以上続いている場合に双極性障害2型と診断され、軽躁よりも抑うつ状態の方が長期になり、重症化しやすい傾向があります。
軽躁状態のときには急き立てるように話し続ける、集中力がなくなる、認知機能低下などの症状が出ますが、患者本人にはそのような自覚がないのが大きな特徴です。

また、この病気は衝動性が高くなるという症状もあり、軽躁状態のときにはとっぴな行動に出たり、抑うつ状態のときに考えていた自殺を実行するという行動も見られます。
通常は抑うつ・軽躁の状態を数日~数週間単位で繰り返しますが、人によっては同時に併発する混合性や、12か月以内に4回以上入れ替わる「急速交代型」の人もいます。

双極性障害2型の人が仕事で気をつけることは?

最後に、双極性障害2型の患者が健常者と一緒に社会生活を送り、うまく仕事をこなしていくために気を付けるべきポイントについてご紹介します。

双極性障害2型の患者にとって仕事上の「無理」や「ストレス」は、病気を発症・悪化させる環境的要因となり得るため、意識的に避ける必要があります。

このためにはまず、ストレスとの向き合い方を知っておくことが非常に重要です。
働くうえでストレスを完全に遮断することは難しいですが、仕事に優先順位をつける、無理と感じたら身近な人に相談する習慣をつけるだけでも、ストレスは軽減できることがあります。

また、双極性障害2型の治療のために休職していて復職するという場合は、何の準備もなくいきなり復職すると、過度のストレスを感じて症状が再発する可能性もあります。

医療機関や行政機関が実施する復職前のリハビリプログラムなどを利用し、しっかりと心と身体の準備をしてから、復職するようにしてください。

おわりに:双極性障害2型を疑うような症状があれば、重症化する前に病院へ

双極性障害2型は、日本人の発症率は海外に比べて少ないものの、誰にでも発症のリスクのある気分障害です。発症すると抑うつと軽躁の状態を繰り返し、衝動的でとっぴな言動・行動をとるようになり、抑うつ状態は時間とともに症状が重くなる傾向も見られます。疑わしい症状が見られたら、重症化する前に早めに医療機関を受診し、医師による適切な診断・治療を始めることをおすすめします。

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