モザイク型ダウン症とは!?一般的なダウン症との違い、特徴を解説

2018/5/30

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

モザイク型ダウン症と呼ばれるものがありますが、一般的なダウン症とはどのような違いがあるのでしょうか?その特徴や平均寿命について解説していきます。

モザイク型のダウン症とは?

「モザイク型」とは、一部の細胞のみに21番目の染色体が3本ある症状で、ダウン症全体の1~2%の確率で発症します。モザイク型は、受精後に起こる卵分裂の過程で、正常な細胞と異常な細胞が染色体の中で混在しており、他のダウン症(標準型、転座型)と比べると障害が軽度のケースが多いとされています。

性染色体以外の1~22番の常染色体には、生命維持のために必要不可欠な遺伝情報が含まれているため、染色体異常が起こるとほとんどが流産・死産となり、長く生きれることはありません。しかし、21番目の常染色体は小さいため、染色体の不分離・転座が起きても、障害を伴いながらも生まれてくる可能性が高くなります。それでも出生する確率は20%ほどで、80%は流産や死産となります。

モザイク型のダウン症の特徴は?

特徴の違い

3種類の型(標準型・転座型・モザイク型)の症状にあまり差はないとされていますが、モザイク型で正常細胞の比率が高い場合は、比較的症状が軽い傾向があります。

ダウン症は、染色体異常による病気のうち最も出生率が高く、600〜700人に1人の確率で出生するとされています。
典型的な特徴として、

  • 知的発達の遅れ
  • 丸くて起伏の無い顔立ち
  • 目がつり上がっている
  • 耳が小さい

などの特徴があります。

また合併症として、難聴・視覚障害(遠視や乱視)を併発することもあり、病弱な体質(風邪や心臓のトラブルなど)を持つ子供もいますが、合併症の有無や症状の程度には個人差があり、ほとんど合併症がでない場合もあります。精神運動発達の遅れはありますが、平均的に2歳頃には手を繋いで歩けるようになり、絵画や音楽、書道などの分野に進み活躍している人もいます。

ダウン症によく見られる行動リスト

  • 意思伝達が苦手
    気持ちを言葉で表現する事が苦手で、発言が不明瞭で聞き取りづらい。
  • 理解が遅い
    集団への一斉の指示など、一度指示を聞いただけでは理解できない事が多い。
  • 自己中心的な傾向がある
    頑固で自己中心的な情緒傾向がある。また、集中力や持続力に欠けるため、一つのことを続ける事が苦手。
  • 運動能力が低い
    筋力が弱く体力もあまりないため、疲れやすい。
  • 交友関係を築くのが苦手
    同年代の友達よりも、教師や親などの大人との関わりを強く求める傾向がある。
  • 何でも口に入れてしまう
    紙やスポンジなどの、手近にあるものをすぐに口に入れてしまう傾向がある。

モザイク型ダウン症の子供の平均寿命は?

現在の日本のダウン症の人の平均寿命は、約60歳ほどだと言われています。
今から50年ほど前には平均寿命10歳前後と言われていましたが、その理由として当時の医療水準の低さが指摘されています。1975年頃の医療水準では、心疾患や感染症などのダウン症による合併症を治療する事が難しかったため、ダウン症の寿命は短いと考えられていました。

現在はアメリカ合衆国でも、1950年から2010年にかけてダウン症の人の平均寿命が26歳から53歳になったり、70歳まで生きられる人が100人中約12人になったと言う報告もあります。今では、ダウン症の人の平均寿命も、一般的な平均寿命に近づいてきていると言えるでしょう(アメリカ人の平均寿命は78歳)。

おわりに:モザイク型ダウン症は比較的症状が軽い傾向がある

モザイク型で正常細胞の比率が高い場合は、他のダウン症と比較すると症状が軽い傾向があります。また、現在の日本のダウン症の人の平均寿命は、約60歳ほどだと言われており、一般的な平均寿命に近づいてきていると言えます。

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