記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2024/11/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ノロウイルスやロタウイルスに感染すると、下痢や嘔吐の症状が現れますが、このような症状にはどうやって対処していけばいいのでしょうか。この記事では、ノロウイルスとロタウイルスの症状の違いと、対処法・予防対策について解説していきます。
ロタウイルスは、感染症胃腸炎の中でも感染力が強く、おもに生後6ヶ月〜2歳の乳幼児に多く発症しますが、一般的には5歳まではかかりやすいといわれています。ノロウイルスは汚染された二枚貝(牡蠣など)を摂取することにより感染する食中毒で、非常に感染力が強いです。どちらも、激しい下痢や嘔吐などの症状がでますが、症状には以下のような特徴があります。
激しい嘔吐、水溶性の下痢、39℃以上の発熱がおもな症状で、白色の便が出ることが特徴的です。ただしノロウイルスでも同じような便が出ることがあります。まれに痙攣や脳症などの合併症を引き起こします。
腹痛、水溶性の下痢、吐き気、嘔吐、37〜38℃の発熱が主な症状です。激しい嘔吐・吐き気が突然起こることが多く、便が白色になることもあります。脱水に注意すれば命にかかわるほど重症化することはあまりありませんが、嘔吐物が喉に詰まったり、誤飲性肺炎などを発症すると深刻な状態に陥ることがあります。
どちらも乳幼児に発症すると脱水症状が起こりやすいので注意が必要です。こまめに水分補給をするように気をつけ、脱水症状のサインが現れたときは早めに病院を受診しましょう。また、嘔吐がひどいときは嘔吐物がのどにつまらないように気を配ってあげてください。
子どもにひどい下痢や嘔吐がみられるときが、脱水症状を防ぐためにもイオン飲料や経口補水液・野菜スープ・冷たい味噌汁などで水分を補給しましょう。1回量はおちょこ1杯程度を目安にし、嘔吐が続く場合は30〜60分休憩を置き、再度少しずつから飲んでみるようにしてください。
食事は無理に食べさせる必要はありません。まずは水分補給をしっかりと行い、体調が落ち着いて食欲が回復してきたら、消化吸収の良いうどんやおかゆを摂取してみましょう。ただし、栄養不足にならないためにも、経口補水液や経口補水ゼリー、スープ類などで必要な塩分やミネラル、糖分を補給するようにしてください。
下痢が続くと便に含まれる腸液の影響で、おしりの皮膚が肌荒れを起こす場合があります。毎回洗う必要はありませんが、おしりはこまめにぬるま湯で洗い流し、柔らかい布やタオルで拭くようにしましょう。もし市販のおしり拭きを使うときには、アルコール不使用のものを使うようにしてください。
便や嘔吐物には様々な菌が含まれているため、オムツを替えた後や、嘔吐物の処理後はしっかりと石鹸で手を洗いましょう。
ノロウイルスやロタウイルスは接触感染や飛沫感染によって拡がっていくので、予防には標準的な感染対策が必要です。第一に大切なのは、ノロウイルスやロタウイルスが流行している時期や感染者が近くにいるときには手洗い・手指消毒、マスクの着用などの標準的な感染予防対策を徹底することです。
家族に感染者がいる場合は、ドアノブや電気スイッチなど手が触れやすい部位をこまめに消毒し、嘔吐物や下痢便などの処理をする際にはマスクと手袋を着用して終了後は手洗い・手指消毒を確実に行いましょう。また、嘔吐物や下痢便にも多くのウイルスが含まれています。それらが付着した部分は次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒し、衣類や寝具などは漬け置き洗いをするようにしましょう。
ロタウイルスは主に生後6ヶ月〜2歳の乳幼児に発症する病気で、ノロウイルスは汚染された二枚貝などを摂取することで感染します。どちらも下痢や嘔吐の症状があるので、脱水症状に陥らないように水分・塩分を補給しましょう。また、下痢や嘔吐が長く続く場合や、水分補給ができない状態のときは、医療機関で点滴や治療を受ける必要があるので、すぐに病院を受診しましょう。