記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
抜け毛の症状が伴うことのある橋本病は、治療をすれば治る病気なのでしょうか?
ここでは、橋本病による抜け毛症状の原因や治療法について解説していきます。医療情報の基礎知識として把握しておきましょう。
すでに甲状腺機能低下が起きている橋本病の場合、甲状腺ホルモンを服用して血中濃度を正常に戻す治療が行われます。一般的に甲状腺機能低下は完治しない病気とされているため、甲状腺ホルモンの服用は生涯続ける必要がありますが、服用を続けている限り症状は安定します。
抜け毛は、甲状腺ホルモンの分泌量不足によっても起こることがあります。
甲状腺ホルモンとは、首の甲状腺から分泌されているホルモンのことで、新陳代謝を促進させる作用や皮膚や髪を成長させる作用があります。そのため、甲状腺ホルモンの分泌量が不足すると、髪の毛の生え変わりがスムーズに行われなくなり、抜け毛を引き起こしてしまうのです。
甲状腺機能低下症や橋本病による抜け毛は、病気の治療をすることで改善する可能性があります。甲状腺の機能低下には、甲状腺ホルモン剤の服用による治療が行われますが、ホルモン剤の服用により症状が改善される場合と、生涯に渡りホルモン剤を服用しなければならない場合とがあります。しかし、ホルモン剤の服用によって甲状腺ホルモン値が正常に維持できると、健康な人と同じように元気に生活を送ることが可能になります。
甲状腺機能低下症の場合は、甲状腺ホルモン薬(商品名:チラーヂン®S)などを服用する治療が行われます。
基本的には、甲状腺機能低下がない場合の治療は必要ありません。しかし、妊娠中などの特殊な状況下では、機能低下が見られない場合でも、ホルモン剤の服用が行われることがあります。
急激に大量の甲状腺ホルモン薬を服用すると、心臓に負担をかけてしまうため、高齢者や心臓疾患のある人、甲状腺機能低下が深刻な人には少量の服用から徐々に増量していく方法がとられます。ただし、薬の増量が可能なのは一時的な機能低下の場合のみで、永続的な甲状腺ホルモン薬の服用が必要な人には適量を継続することが必要になります。
また、過剰にホルモン薬を服用することにより、心臓や骨に負担をかけてしまう場合があるので、定期的な検査を受け、適切な量を服用することが大切です。
甲状腺機能低下症や橋本病による抜け毛は、病気の治療をすることで改善する可能性があります。また、主な治療法としては、甲状腺機能低下症がある場合は、甲状腺ホルモン薬が処方されます。ただし、過剰にホルモン薬を服用すると心臓や骨に負担がかかる可能性があるなど、治療のデメリットや注意点については事前に理解しておきましょう。