てんかんの症状って年齢によって変わってくるの?

2018/7/19

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

てんかん発作の症状は、年齢によって変化するものなのでしょうか?また、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか?
この記事では、てんかんの症状を年齢別に解説していきます。

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てんかんの症状、赤ちゃんの場合は?

新生児に発症するけいれんは、低体重で生まれた子供に起こることが多いです。そして、その子供の何割かはてんかんに移行します(未分類てんかん発作)。しかし、新生児の場合はけいれんの症状だけでなく、ぐったりするだけの場合も多く、脳波異常と臨床症状が一致しないケースが多いとされています。けいれん発作を放置しておくと、脳性麻痺・てんかんなどの後遺症が残ったり、場合によっては死に至ることもあるので、新生児けいれんは早期治療が必要となります。

子供によくみられるてんかんの症状は?

小児に多く発症する欠神発作(けっしんほっさ)は、話している最中や何かをやっている最中に、急に意識がなくなる症状です。発作が起こる時間は20~30秒ほどなので周囲の人に気づかれないこともありますが、急に会話が途切れたり、動作が停止したりします。
発作が起こることで、食事中や授業中にぼんやりすることが多くなると、集中力に欠けると思われてしまうこともあります。

高齢者のてんかんに多い症状は?

複雑部分発作

高齢者に発症するてんかんの多くが、症候性てんかん(脳の障害や、脳の一部が傷つくことにより起こるてんかん)と呼ばれるもので、単純部分発作(意識がはっきりしている)と複雑発作(意識障害がある)に分けられます。特に1日に発作が頻繁に起こる複数部分発作が多いとされており、二次性全般化発作(部分発作から始まり、全身のけいれんが起こる症状)が起こることもあります。

複雑部分発作は、徐々に意識が遠のき、周囲の状況判断ができなくなるような意識障害が起こる発作で、記憶障害を伴う事が多いといわれていますが、発作中に倒れることはあまりなく

  • 急に動作が停止する
  • ぼんやりとする
  • 辺りをフラフラと歩き回る
  • 手を叩く
  • 口をモグモグと動かす

などの意味のない行動を繰り返す症状(自動症)が起こります。

その他の発作

まれに、特発性全般てんかんや前頭葉てんかんにより、非けいれん性の重積発作が起こることがあります。
また、若年期に発病したてんかんが再発する場合や、中年期以降に特発性全般てんかん発病し、その後継続する場合があります。これらのてんかんの発症原因として、全般強直間代発作、ミオクロニー発作、非けいれん性もうろう状態、幻覚状態、反応性の変動などが考えられます。

おわりに:発作のタイプに合わせた治療が必要

新生児に起こるけいれんの何割かはてんかんに移行するため、症状が進行する前の治療が望まれます。また、子供の場合は欠神発作(けっしんほっさ)が多く、高齢者には複雑部分発作起こるケースが多いので、それぞれの年齢・症状に合った治療が必要となります。

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