記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/6/7
記事監修医師
前田 裕斗 先生
ダウン症の赤ちゃんには、外見的にどんな特徴が見られるのでしょうか?顔や手足、身体的な機能などに見られる特徴について詳しく解説していきます。
生物の細胞には、それぞれの生物をつくり、生きていくための遺伝情報を含む染色体が入っています。ヒトには染色体が46本あり、通常は2本ずつペアになっていることが知られています。
ダウン症は染色体の異常によって生じることがわかっており、顔つきの特徴に共通点があります。共通の顔貌は、顔の内側に比べて外側が先に成長することが原因であるといわれ、一般的には以下のような特徴が挙げられています。
下顎が小さく鼻が低めであることや、目と目の間が広いことから、全体として丸く平坦な印象で、後頭部は平らな傾向があります。また、耳は小さめで上部が内側に折れており、耳の位置が顔のやや下側にあることも特徴であるといわれています。
ダウン症の方で特徴的なのは、目元でしょう。切れ長のつり目で、しっかりとした二重になっています。また、目と目の間が広くなっています。
共通した特徴を持ちつつも、両親それぞれに似ているところがみられ、ひとりひとり顔立ちが異なります。また、食事のとり方などの生活習慣によっても印象が変わっていくでしょう。
顔以外にも身体的な特徴もあります。手足の指が短めで、特に小指が短いことがあります。また、足の親指と人差し指の間が広いといった特徴も挙げられます。
顔つきにしても手足の特徴にしても、全ての特徴を持っている人もいれば、ほとんど目立たないという人もいます。同じダウン症であっても個性豊かに成長します。
ダウン症の人は全体的に筋肉量が少なく、筋肉をしっかりと張ることができません。筋緊張が低いと表現されることもあり、身体が非常に柔らかくみえるでしょう。
人間の運動発達では、ふにゃふにゃした状態から、だんだんと首が座り、おすわりやハイハイ、つかまり立ちを経て、1人で歩くことができるようになります。しかし、ダウン症のお子さんは、このような運動発達が比較的ゆっくりとなり、2歳を過ぎてから歩けるようになることも珍しくはありません。ことばの発達もゆっくりと成長していきます。保健センターや療育センター、専門の施設などに通い、その子に合った療育を受けることが多いでしょう。
また、ダウン症のお子さんには、心臓や消化器の疾患や、斜視や遠視、近視といった目の症状や、難聴などの合併症を持って生まれることもあります。そのため、乳幼児期に手術を受けたり、メガネや補聴器などの調整を必要としたりすることもあります。
ダウン症は染色体の異常によって起こります。顔立ちや身体的には、共通する特徴はありますが、実際には両親の特徴を受け継いで、ひとりひとり異なります。また、ダウン症児は心疾患や視覚障害、聴覚障害といった合併症が合わさることもあり、乳幼児期に手術を受ける子もいます。成長の過程では、個々に合わせた療育を受けていくことが必要になるでしょう。
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