ダウン症の大人の特徴とは?接するときやサポートするときのコツって?

2018/6/10 記事改定日: 2019/12/5
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ダウン症は大人になるにつれて特徴が変化していくことがあることをご存知でしょうか。
この記事では、大人のダウン症の特徴とコミュニケーションの取り方について解説しています。特徴やコミュニケーションのコツを前もって知ることは、周囲の人たちだけでなく、ダウン症の人自身のストレス緩和にもつながることがあるので、この機会にしっかり理解しておきましょう。

大人になるとダウン症の人はどう変わっていくの?

ダウン症人が成長して大人になっていくと、少しずつ身体的な変化が現れてきます。
以下のような変化がみられることが多いです。

視覚障害や聴覚障害

ダウン症の人が年をとっていくと

  • 近視
  • 乱視
  • 緑内障
  • 白内障
  • 斜視

などの目の症状が現れるようになり、聴覚は加齢にともにだんだんと低下していきます。

ダウン症の人はこのような変化による見えづらさや聞こえづらさを上手に表現できないため、人との関わりや外出時に不安が強くなったり、人とのコミュニケーションを避けたりするようになってしまうこともあります。
定期的に眼科や耳鼻科を受診しましょう。

歯のトラブル

ダウン症の人は歯並びの悪さや、日頃のお手入れの不十分さから、虫歯や歯周病が進行しやすいです。
お手入れや歯科治療に慣れないまま成人してしまうと、治療に行きたがらなかったり、歯磨きに対しての意見や指導を聞かないようになるため、さらに悪化させてしまうことも少なくありません。

幼少期から歯科医院に通う習慣をつけておくことが大切です。

生活習慣病

食事へのこだわりや、歯科的な問題、咀嚼の問題など、積み重なってきた習慣が合わさることで、肥満や糖尿病などの生活習慣病につながることもあります。
また、睡眠時無呼吸症候群による睡眠障害や、椎間板ヘルニアなどの整形外科疾患にも注意が必要です。

ダウン症の人が大人になると、性格はどう変化する?

ダウン症の人は、幼少時から明るく社交的で、周囲の人は穏やかといった印象を受けることが多いといわれています。また、非常に真面目で几帳面な側面を持つこともあります。

しかし、成人後は

  • 頑固さが強くなる
  • 幻覚や幻聴ある
  • ひとりごとが増える

など、それまで見られなかった行動が現れるようになり、急激に社会適応能力が低下することがあります。

ただし、このような変化は必ずしも性格の変化が原因とは言い切れません。
成人後はダウン症の人にとっても、強くストレスがかかる場面が増えてきます。

職場での人間関係や、家族の誰かが亡くなったといった家庭での変化などが強いストレスとでこのような症状が出ることもあるので、周りで影響している要因がないかを探り、安心感をもたらすような関わり方をしてあげましょう。

ダウン症の大人とは、どう接すればいいの?

ダウン症の人は、程度に個人差があるものの知的障害をあわせもっています。
そのため、コミュニケーションをとるときには「伝え方」の工夫が必要になってきます。

  • 言葉での会話が一見成り立っていても、詳しい内容までは伝わっていない
  • 多くの事柄を一度に伝えると覚えきれない。内容を理解できない

などのトラブルが起こることもあるでしょう。

たとえば、仕事上で、仕事のやり方を伝えたり、誤りを指摘したりしなければならない場面があったとしましょう。

「ちゃんとやって」などは非常に抽象的な表現です。「2個入れる」「赤だけを集める」など、具体的にどうして欲しいのかを伝えることが大切です。
また、伝える際は、シンプルに短い文で伝えることを心がけ、視覚的に伝えるためにジェスチャーや絵を用いるようにしましょう。

ただし、同じダウン症であっても、伝わりやすい方法は人それぞれです。日々のコミュニケーションの中で、相手がわかりやすい方法を見つけるように心がけてください。

ダウン症の大人の一人暮らし、どうサポートしてあげればいい

ダウン症は心疾患などを併発しやすいため、以前は短命であるケースがほとんどでした。しかし、医療が発達した現在ではそれらの併発症に対する治療も確立されており、ダウン症であっても長生きできるケースが増えています。

ダウン症の人が一人暮らしをするときは、大人でも家族や身近な人のサポートが必要です。次のような点に注意しましょう。

  • 火の始末に注意し、コンロなどを正しく扱えない場合は設備を撤去する
  • 入浴や洗顔、着替えなどの整容面を訓練しておく
  • 1~数日に一度は訪問や電話などで連絡を取り、生活できていることを確認する
  • 併発症がある場合は定期的に病院に付き添う

おわりに:個々にあわせた伝わりやすいコミュニケーション方法を見つけよう

成人後のダウン症の人たちは、穏やかに過ごせている人だけではありません。職場や家庭などの環境変化に対処しきれず精神的な不安が強くなったり、身体のあちこちに不調がみられたりしていきます。自分で伝えることが難しい人もいますから、接する人が推測をしていくことも必要になるでしょう。
コミュニケーションの方法は、話ことばだけではなく、ジェスチャーや絵など、相手がわかりやすい方法を探っていくことを忘れないようにしてください。

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