冷えで下痢になるのはどうして?どうやって下痢を止めればいいの?

2018/6/10 記事改定日: 2019/5/29
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

下痢の原因はいくつかありますが、身近な原因のひとつに「冷え」があります。なぜ体が冷えると下痢になってしまうのでしょうか。
この記事では、冷えで下痢になってしまうメカニズムを解説していきます。対処法もいくつか紹介しているので参考にしてください。

お腹を冷やすと下痢になるのはなぜ?

昔から「お腹を冷やすと下痢になる」といわれていますが、そのメカニズムには諸説あります。

便は通常、大腸内で消化物から水分が吸収されることで硬くなっていきます。しかし、大腸の動きが活発になりすぎて水分を十分に吸収する時間がなかったり、大腸内に炎症が起きて水分を吸収する機能が十分に作用しないと便が柔らかくなって下痢になってしまうことがあります。

お腹の冷えは大腸を刺激して運動を活発にさせますので、上記のような流れで下痢が引き起こされることがあるのでは、と考えられているのです。

また、大腸の運動は自律神経によって司られていますので、冷えで大腸の血行が悪くなり水分吸収力が低下すること、なども一因として考えられています。

冷えによる下痢の対処法は?

体が冷えを感じると、体を温めようと自律神経が働き、通常よりも腸が活発になります。
腸が過剰に働くと体は水分の吸収を抑えようとするため、便に含まれている水分が吸収されず下痢になるのです。
こうした冷えによる下痢の場合、温めることにより症状の緩和が期待できます。

温かくなると腸の働きが少し改善され、腸内環境が変わることで下痢の症状を抑えらることがありますので、冷たい飲み物を避け、温かい飲み物を飲むようにしましょう。

お風呂をシャワーで済ませず湯船につかって体を温めたり、おなかが冷えたりしない服装をするのも症状の緩和に効果的です。
夏場の冷房の効いた屋内では知らず知らずのうちに体が冷えることもありますので注意してください。
寒い冬場は使い捨てカイロを使うと良いでしょう。

冷えによる下痢に漢方は効果ある?

漢方薬で下痢が改善することもあります。

漢方の考え方では、主に下痢はこの水毒によって引き起こされると考えられています。
漢方薬には体や胃腸を温めることにより体内の余分な水分を排出してくれる働きや、ストレスを和らげる効果があるといわれています。
単に下痢を止めるだけでなく、胃腸の状態を正常にしながら丈夫にして、体質改善を目指せるといわれています。
以下では下痢のときに処方される漢方をいくつかご紹介していきます。

五苓散(ごれいさん)

体内の水分バランスの調節をする働きがある五苓散は、副作用が少なく大変使い勝手が良い漢方です。
むくみを解消する働きも期待できるため、むくみの治療薬としてもよく使われます。

真武湯(しんぶとう)

体力が極端に低下し、手足や腹部の冷えが慢性的な人の下痢に使われる漢方です。
こちらも体の水分バランスを正す効果が期待できます。

人参湯(にんじんとう)

食欲が少なく疲労感があり、冷え性で尿が薄く多量である傾向の人に多く用いられます。
冷えが強い場合には、人参湯に附子(ぶし)という生薬を加えた附子理中湯(ぶしりちゅうとう)として使うこともあります。

下痢に効果のある漢方といっても、その人の体質によって処方されるものが異なりますので、服用する場合にはきちんと専門医に相談しましょう。

おわりに:体を冷やさないことが下痢予防につながることもあります

冷えによる下痢は、自律神経の乱れや腸の働きが低下して引き起こされています。
下痢を起こしてしまったら体を温めて血流を改善し、日ごろから下痢を起こしやすい人はお腹を冷やさないように気を付けながら生活していきましょう。

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