記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/5 記事改定日: 2020/9/8
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
てんかん発作は突然起こります。現れる発作の種類によっては日常生活に支障をきたす場合があります。特定の病気に対しては「障害者手帳」が交付されることがありますが、てんかんの人が障害者手帳を申請する方法について紹介します。
精神障害者手帳(正式名称:精神障害者保健福祉手帳)は、1995年に改正された「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」(精神保健福祉法)に規定された精神障害者に対する手帳制度です。何らかの精神疾患により、長期にわたり日常生活または社会生活への制約がある人を対象としています。
精神障害者手帳の申請ができる精神疾患には、以下のような症状が含まれます。
てんかんの発作などで日常生活に支障があるのであれば、精神障害者手帳の申請ができます。有効期限は2年間で、2年ごとに医師の診断書とともに申請書を提出し、期限を更新する必要があります。
てんかん発作とは、脳の一部に異常な電気的興奮が生じることによって様々な症状が引き起こされる症状のことです。症状の現れ方は電気的な興奮が生じた位置、範囲、興奮の広がり方によって異なります。
脳の一部のみに電気的な興奮が起こるものを「部分発作」と呼び、手足のけいれん、視覚や聴覚の異常、頭痛、吐き気、意識消失などの症状が生じます。一方、電気的興奮が脳全体に広がるタイプのものを「全般発作」と呼び、意識を失った後に全身に痙攣が生じたり、筋肉がぴくぴくと収縮したりする症状が見られます。
いずれも予期せぬ場面で起こるため、転倒などによって思わぬ怪我をすることがあるため注意が必要です。
メリットとして、まず障害者雇用での就職・転職活動ができることが挙げられます。従業者数50人以上の企業の場合、その2%以上は障害者を雇用することが法律で義務付けられています。障害者手帳があれば、一般採用だけでなく障害者雇用でも応募でき選択肢が広がりますし、障害者雇用で採用されれば、自分の能力と適正に応じた仕事、通院や治療への配慮、周囲の理解など、無理なく仕事が続けられ精神的な安定も得られやすいでしょう。
精神障害者手帳を受けるメリットをまとめると、以下のようになります。
デメリットとしては、診断料や更新の負担に加えて、手帳を持つことへの抵抗感もあります。このような場合には、手帳がなくとも受けられる福祉サービス(障害年金、自立支援医療の申請など)もあります。自治体によっては「心身障害者医療費助成制度」もありますので、気になる方はお住まいの自治体に問い合わせてみることをおすすめします。
精神障害者手帳の申請に必要な手続きは、患者さんが住んでいる市区町村に申請書類を提出することが必要です。
申請の際は印鑑が必要となりますので、市区町村の窓口に行くときは忘れずに持っていきましょう。書類提出後に審査が行われ、発行されるまでは1~2か月程度時間がかかります。
てんかんで精神障害者手帳を申請する場合、等級は下記の4種類の発作の「頻度」を基準に決められます。
てんかんで精神障害者保健福祉手帳を申請できます。等級によって、就職、税金などの控除、公共料金の割引など、さまざまなサポートを受けられます。手帳を申請することに抵抗がある人は、なくても受けられるサービスがあるか調べてみるとよいでしょう。