記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
脳や脊髄を覆う髄膜に炎症が生じる「髄膜炎」。もし髄膜炎の疑いがある場合、どんな検査が実施されるのでしょうか?また、検査はどれほどの痛みを伴うものなのでしょうか?検査にかかるおおよその時間と併せて解説していきます。
髄膜炎の疑いがある場合、基本的には下記の検査が行われます。
髄膜炎を診断する上で最も重要な検査です。背骨の隙間と隙間に針を刺し、脳や脊髄をとりまいている液体である脳脊髄液を採取します。そして、髄液中の白血球の数や糖の値、細胞の数などを確認します。
例えば正常な髄液は透明ですが、細菌性髄膜炎の場合は色が濁っており、重症の場合はどろっとした膿が見られます。また髄膜炎患者は髄液中の細胞数が多く、細菌性髄膜炎の場合は多核球、ウイルス性髄膜炎の場合はリンパ球が増える傾向にあります。なお糖の値でいうと、細菌性の場合は細菌による糖の分解で数値が減少傾向にありますが、ウイルス性の場合は特に減少は見られないことが多い。
原因菌の特定のため、血液検査を実施することがあります。
頭蓋内に腫瘍があるなど、髄液を刺す場所の圧力が高いと予想される場合は髄液検査ができない場合があるため(脳ヘルニアという合併症を引き起こす可能性があります)、事前に異常所見がないか、頭部CT検査で確認します。
髄液検査は局所麻酔をしながら行うため、検査中の痛みは特にありません。ただし、麻酔薬を注射する際は多少の痛みが伴いますが、麻酔がすぐに効いてくるので痛みは引いていきます。
なお、穿刺針を入れる際には痛みはないものの、圧迫されるような感覚を伴うことがあります。
一般的に、髄液検査は5分程度で終了します。ただ、局所麻酔をしながらの検査のため、検査後1〜2時間は仰向けの状態で安静にする必要があります。
髄膜炎かを診断する上で核となる「髄液検査」は、髄膜炎の種類や重症度などの把握にも役立つものです。ただ、背中に注射をする検査のため「痛そう…」というイメージをお持ちの方も多いですが、局所麻酔をしながらの検査なので、痛みについてはそこまで心配いりません。他にも不安なことがあれば、検査実施前に医師に聞いてみるといいでしょう。